レー・ミン・フン首相(フエ市)
事業が円滑に進んだり、企業が適切なパートナーを見つけたり、人材ニーズに合った研修が実現したりすることが、その具体例です。ベトナムが「新たな情勢における国際統合」に関する党政治局の決議59号に沿って国際統合を進める中、地方協力は、戦略的な方向性を具体的な成果へとつなげる重要な段階になりつつあります。
9月上旬、中部フエ市で開かれた2026年ベトナム・日本地方協力フォーラムで、レ・ミン・フン首相は、協力の在り方を変える必要性を訴えました。
(テープ)
「両国の友好協力関係と、両国首脳による方向づけを土台として、両国の地方や企業には、先駆的な役割とイノベーションの精神を発揮し、協力の考え方とやり方を大胆に変えていただきたいと考えます。すなわち、『協力』から『共創』へ、『移転』から『共に発展する』へと、モデルを転換していくことです。」
地方が「共に発展する」ためには、まず地域ごとの実際のニーズを的確に把握することが欠かせません。中部フエ市は科学技術やデジタル化、教育、医療、人材育成を、南部カントー市は先端農業や食品加工、物流、観光などを優先分野としており、一律のモデルでは協力の効果が上がりにくいことが分かります。
カントー市では、在ホーチミン市日本国総領事の小野益央氏が、交通インフラの重要性を指摘しました。
(ベトナム語テープ)
「近年、高速道路の建設が進められたことで、ホーチミン市や南部の各省・市とのつながりを高めるインフラ整備が前進しました。交通インフラを整備するこうした事業が、日本とカントー市との連携をさらに高めることにつながればと期待しています。」
開幕式(カントー市)
一方、行政手続きやビジネス環境、土地の賃借費用、電力、浸水、国際便の就航状況、外国人専門家の生活環境といった課題も、日本企業から挙げられています。これらはいずれも、投資判断や長期的な事業運営に直接影響する要素です。カントー市人民委員会のチュオン・カイン・トゥエン委員長は、先端農業や食品加工、物流、スマートシティなどの分野での協力を優先していると説明しました。地方が投資を受け入れるだけでなく、自らの発展方針に合った分野を主体的に選んでいることがうかがえます。
韓国との関係でも、協力は中央から地方へと明確に移りつつあります。韓国・ベトナム経済文化協会のクォン・ソンテク会長です。
(韓国語テープ)
「協力が政府レベルから地方へと広がっていく様子がうかがえます。姉妹都市提携や友好協力関係を結ぶ地方の組み合わせの数は急増しています。工業団地やスマートシティといったインフラ事業も、初期段階から両国が共同で計画するようになっています。これは、両国関係が単なる外交の枠組みを超え、国民同士が直接つながる、いわば『国民が実感できる協力の段階』に入ったことを示しています。」
交流する韓国側パートナー
地方協力は、国家間関係を縮小しただけのものではありません。海外のパートナーは資金や技術、経営のノウハウをもたらすことができますが、最終的な成果は、ベトナム側の受け入れ能力と連携の力量にかかっています。地方自らがニーズを見極め、優先分野を選び、企業をつなぎ、実行に移していくことが求められます。その成果は、会談の回数や覚書の数ではなく、事業が実際に動き、人材が育ち、具体的な課題が解決されるかどうかで測られるべきです。それこそが、ベトナムと日本、そして韓国との関係を、戦略的な方向性から現実に検証できる成果へと変えていく道筋です。
