連邦最高裁が従来の関税措置を違憲と判断して以来、トランプ大統領による関税政策の立て直しに向けては最大の動きとなりました。

米通商代表部(USTR)の声明によりましと、貿易相手国・地域による強制労働で生産されたとされる製品への対応を調査した結果、カナダやメキシコ、欧州連合(EU)、台湾、イギリスなどからの輸入品には10%の関税が適用されるとしています。

一方、日本や中国、インド、韓国、ブラジル、スイスを含むその他の主要貿易相手からの輸入品には、より高い12.5%の関税が課される見通しです。

USTRは、強制労働による製品の輸入を禁止、あるいは禁止を約束している経済圏からの製品には低い税率を適用すると説明しました。一方で、そうした措置を「導入せず、効果的に執行することにも失敗している」とされた国・地域には高い税率を適用するといいます。

今回の措置は、トランプ氏が昨年導入したものの、違憲と判断された国別関税を復活させるための大きな前進となります。今回提案された関税は、1974年通商法301条による調査に基づいており、当初の関税とは別の枠組みとなっています。

「非常に大きな影響がある。301条は極めて強力な手段であり、覆される可能性は低いためだ」と、シンガポールのヒンリッヒ財団で通商政策責任者を務めるデボラ・エルムズ氏は指摘しました。「これによって多くの新たな関税・非関税措置への扉が開かれた」と述べました。

この関税措置は、世界経済にとっても重要な局面で打ち出されたものです。金融市場はすでにイラン戦争と、それに伴う原油・天然ガス価格の上昇によって不安定になっています。エネルギー価格の上昇はインフレへの新たな懸念を招いており、アメリカでは有権者の生活費負担への不安が、11月の中間選挙でトランプ氏率いる共和党にとって逆風となる可能性があります。

しかし、アメリカの新たな提案は直ちに各国・地域のパートナーから強い反発を招きました。中国、ブラジル、EU(欧州連合)などはいずれもこの新たな関税措置を受け入れられないと表明し、これを一方的で根拠に欠ける関税の押し付けだとみなしています。

計画によりますと、アメリカの新たな関税案は今後、パブリックコメント(意見公募)に付される予定です。公聴会は6月22日から開始される見込みで、書面による意見の受付期限は7月6日までとなっています。また、公開公聴会は7月7日から開催される予定です。