JICA、ハノイで半導体人材協力を発表 宇佐川教授がVJUの育成策を紹介
(VOVWORLD) - 14日午後、ハノイでJICA国際協力機構ベトナム事務所は記者会見を開き、日本とベトナムの半導体分野における人材育成と大学連携の強化方針を示しました。
会見には、熊本大学前副学長でVJU日越大学の学長特別顧問を務める宇佐川毅教授が登壇し、VJUの教育カリキュラムと産学連携の方向性を紹介しました。
宇佐川毅教授(写真:JICAベトナム事務所) |
VJUでは「Semiconductor Chip Technology」プログラムを柱に、設計からパッケージング・検査までを意識した実践的教育を展開し、ハノイ市ホアラックハイテクパーク内の新キャンパスでの研究・教育体制整備を進めています。宇佐川教授は、ベトナムの輸出構造でハイテク製造の比重が高まる中、大学側が常に最先端に合わせて教育内容を更新する重要性を強調しました。
ベトナム政府の「半導体産業人材育成国家プログラム」では、2030年までに大学以上の人材を少なくとも5万人育成する目標が掲げられています。VJU学長特別顧問の宇佐川教授も、この目標について「不可能ではない」との見方を示しています。
(テープ)
「5万人は決して大げさな数字ではないと私個人としては考えます。半導体分野で働くことが魅力的でなければならない、つまり給料の高さや処遇の良さということは当然だと思います」
JICAベトナム事務所の久保良友次長(左から2人目)(写真:JICAベトナム事務所) |
JICA側は、VJUと日本の複数大学の協力体制を一段と拡大する考えを表明しました。宇佐川教授の知見に加え、東京大学や大阪大学など日本の有力大学から専門家を派遣し、教育・実習の質を底上げする方針です。JICAベトナム事務所の久保良友次長は次のように語りました。
(テープ)
「今後日越大学と日本の大学の連携というところは熊本大学だけではなくてですね、例えば大阪大学であるとか東京大学といったですね、日本の大学の中でも非常に有力な大学、複数の大学と日越大学が協力していく、その支援をJICAとしても行っていきたいと思いますので補足させていただきます」
会見の様子(写真:JICAベトナム事務所) |
会見では、女性人材の参画促進やインターンシップの拡充、企業と大学を結ぶR&Dブリッジの形成も課題として挙げられました。VJU側は「理論・実習・実習現場・職能」の一体的な育成設計で産業ニーズに対応し、2030年以降に継続的に高度人材を輩出する計画です。JICAは、人材を最優先に据えた日越の協力を通じ、ベトナムの半導体エコシステム強化と長期的な産業競争力の向上を後押しするとしています。