(NHK)イタリアで、今月4日に行われた憲法改正の是非を問う国民投票では「反対」が多数を占め、憲法改正を進めてきたレンツィ首相は、責任をとって辞任しました。これを受けて首相指名の権限のあるマッタレッラ大統領は、各政党と協議した結果、11日にレンツィ政権で外相を務めてきたジェンティローニ氏を、次の議会選挙が行われるまでの暫定政権の首相に指名したと発表しました。
(写真:AFP/TTXVN)
ジェンティローニ氏は、ローマ生まれの62歳。レンツィ氏が率いる中道左派の民主党に所属し、通信相などを歴任したあと、おととしから外相を務めています。ジェンティローニ氏は、大統領府で記者団に対し、「国民の不安を取り除くため、できるだけ早く新政権を発足させる必要があることを認識している」と述べ、早急に組閣に取り組む考えを示しました。
ジェンティローニ氏は、議会での信任を得たうえで正式に首相に就任し、国民投票のあと一層不透明感が増している国内の銀行の経営立て直しなどに取り組むことになります。今回の協議の中で、各政党からは、再来年に予定されていた議会選挙の前倒しを求める声が相次ぎ、次の議会選挙は、来年のうちに行われる公算が大きくなっています。