イラン、イスラエルに無人機・ミサイルで大規模攻撃

(VOVWORLD) - イランは13日夜から14日未明にかけて、イスラエルに向けて300以上の無人機やミサイルによる大規模攻撃を実行しました。これは今月1日の在シリア大使館空爆への報復と主張されています。

イスラエル軍は14日、「99%を迎撃した」と発表しましたが、イラン本土からの前例のない対イスラエル攻撃は、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を機に高まった中東の緊張を一段と激化させる恐れがあります。

イスラエル軍によりますと、約170機の無人機と30発以上の巡航ミサイルが飛来しましたが、領内に到達する前に迎撃されました。また、120発以上の弾道ミサイルも撃ち込まれ、数発が領内に到達したとのことです。この攻撃で女児1人が負傷し、南部の軍施設が軽微な損害を受けました。攻撃はイラン以外にイエメンやイラクからも行われました。

イランによるイスラエル攻撃を受け、欧米各国首脳らは相次いでイランを非難する声明を発表しました。一方、中東諸国ではイスラエルに反撃を自制するよう求める声も上がっています。

EU=欧州連合のボレル外交安全保障上級代表(外相)はTwitterで、「前例のない(対立の)激化であり、地域の安全保障への重大な脅威だ」とイランを非難しました。

イギリスのスナク首相も声明で、攻撃は「無謀」で「緊張をあおり、地域を不安定化させる危険がある」と批判し、「同盟国と共に状況を安定させ、さらなる深刻化を防ぐために緊急に取り組んでいる」と説明しました。

中国外務省は報道官コメントで、関係国に「冷静さと自制」を求めました。国際社会や「影響力のある国」が、パレスチナ自治区ガザでの衝突の終結に向けて尽力すべきだと主張しました。

ロシアのポリャンスキー国連次席大使は通信アプリTelegramに、「われわれは新たな深刻な危機に直面している恐れがある」と投稿し、「全ては当事者の次の行動次第だ」と双方に自制を訴えました。

サウジアラビア外務省は、「地域の軍事的緊張の高まりと、深刻な影響への深い懸念」を表明し、「全ての当事者に最大限の自制と、地域と人々を戦争の危険から守るよう求める」と述べました。エジプト外務省も当事国に自制を要請し、事態の沈静化に向けて全ての関係者と連絡を取り合っていると説明しました。(時事通信)

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