ガザ侵攻に揺れる欧州議会選、新興左派政党が受け皿に

(VOVWORLD) -モロッコとパキスタンの血を引くドイツ人のナディール・アスラムさん(33)は、6―9日の欧州議会選挙で環境政党、緑の党に投票するつもりでした。しかし、今では親パレスチナの姿勢を明確にしている新興左派政党Mera25に投票先を変えました。
ガザ侵攻に揺れる欧州議会選、新興左派政党が受け皿に - ảnh 1(写真:AP)

アスラムさんはロイターに対し、ドイツ連立与党の一角である緑の党指導者が昨年11月に行った演説を聞いて、同党を支持する気持ちが「粉々になった」と語ります。パレスチナ自治区ガザの死者が9000人に近づく中、ドイツによるイスラエルへの支持を一層強く打ち出す演説だったからです。

こうした支持政党のシフトは今、欧州全土に広がっています。欧州統合プロジェクトを巡り既に極右政党から攻撃を受けている主流政党が、新たに左派からの脅威にさらされている形です。

この傾向は欧州連合(EU)内のイスラム社会だけでなく、左派有権者にも広がっています。昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃を非難しながら、ガザへの軍事攻撃で今や3万6000人を超えるパレスチナ人を殺害したイスラエルを非難しない欧州の二重基準を、こうした有権者は問題視しています。

オランダのラドバウド大学の社会学者、サミラ・アザバル氏は「急進右派と急進左派の政党が台頭している。これが欧州の政治状況、つまり政党の勢力図を塗り替えるだろう」と語りました。

この状況はイスラエルに対するEUの姿勢にも影響を及ぼし、国レベルでの決定権を拡大する政策を後押しするかもしれないと同氏は言います。EU加盟国であるスペイン、アイルランド、スロベニアはパレスチナを国家として承認しました。(ロイター)

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