デンマーク、米国大使を呼び出し グリーンランド特使発言で抗議
(VOVWORLD) -デンマークは22日、ドナルド・トランプ米大統領が任命したグリーンランド特使がデンマークの自治領であるグリーンランドを「米国の一部にする」と発言したことを受け、米国大使を呼び出し、説明を求めたことを明らかにしました。
(写真:REUTERS/Sarah Meyssonnier) |
デンマークのラース・ラスムセン外相は、公共放送DRのインタビューに対し「本日、米国大使を呼び出した」と述べ、グリーンランド代表と共に「超えてはならない一線」を確認しつつ、説明を求めたと述べました。
トランプ氏は1月に大統領として再就任して以降、安全保障上の理由から米国がグリーンランドを領有する必要性を繰り返し説いています。
トランプ氏は22日、ルイジアナ州知事のジェフ・ランドリー氏をグリーンランド担当の米国特使に任命したと発表しました。任命されたランドリー氏はX(旧Twitter)に「グリーンランドを米国の一部にする」との趣旨の投稿をしていました。
この発言にラスムセン氏は「深く怒りを覚えた」と述べ、米政府にデンマークの主権を尊重するよう警告しました。欧州連合(EU)も、デンマークへの「全面的な連帯」を表明しました。
グリーンランドのイェンス・フレデリク・ニールセン首相とデンマークのメッテ・フレデリクセン首相は共同声明を発表し、「他国を併合することはできない。共同の領土保全に対する尊重を期待している」と述べました。
ニールセン氏はまた、グリーンランドの人々に向けたSNSへの投稿で、米国特使の任命はグリーンランド住民にとって何も変わらないとし、「われわれは自分たちの未来を自分たちで決めます。グリーンランドはグリーンランド人のものだ」と述べました。(AFP)