トルコ軍がシリア派遣部隊を増強 クルド人勢力拡大阻止へ
シリア北部の要衝の町ジャラブルスに侵入するトルコ戦車=
AFP/TTXVN
トルコ軍は、国境沿いのシリア領内に地上部隊を派遣して軍事作戦を行い、過激派組織IS=イスラミックステートを支配地域から撤退させましたが、さらに部隊を増強し、テロ組織と見なすクルド人勢力の支配地域の拡大を阻止する構えを鮮明にしました。
トルコ軍は、24日、国境沿いのシリア北部の過激派組織ISが支配する町ジャラブルスに地上部隊を派遣して、シリアの反政府勢力とともに軍事作戦を行い、ISを撤退させました。しかし、トルコ政府は、ISだけでなく、テロ組織と見なすクルド人勢力も攻撃の対象だとしていて、トルコ軍は25日も新たに戦車を派遣するなど部隊を増強させました。これによってトルコ軍は、今月、シリア北部のマンビジをISから奪還するなど、クルド人勢力がシリア北部で進める支配地域の拡大を阻止する構えを鮮明にしました。
一方、クルド人勢力は、トルコ軍のシリア領内での作戦に反発していますが、これまでクルド人勢力を対ISの地上部隊として支援してきたアメリカは、24日、バイデン副大統領が、エルドアン大統領と会談し、トルコ軍の作戦に協力する考えを示しています。このため、クルド人勢力とアメリカとの間のこれまでの協力関係に変化が見られるようなことになれば、今後の対IS作戦などに影響を与える懸念も出ています。