ノーベル平和賞、国の誇り=エチオピア首相府

(VOVWORLD) - ノルウェー・ノーベル賞委員会は11日、2019年のノーベル平和賞を、アフリカ北東部のエリトリアとエチオピアの国境紛争を終結に導いた功績を評価し、エチオピアのアビー・アハメド首相(43)に授与すると発表しました。

委員会は「平和と国際協力の実現に向けた努力、とりわけ隣国エリトリアとの国境紛争を解決するための断固とした指導力」を授賞理由に挙げました。
アビー氏は18年4月の首相就任と同時にエリトリアとの関係改善の動きを加速させました。7月にはエリトリアのイサイアス大統領との初の首脳会談が実現し、係争地のエリトリア帰属を認め、戦争終結と関係正常化をうたった共同宣言の調印にこぎ着けました。

国境紛争は1998年に勃発し、2000年の停戦までに推定10万人が死亡しました。同年の包括和平合意後も緊張は消えず、国境地帯で軍のにらみ合いが続いたが、アビー氏が口火を切る形で両国が歩み寄り、紛争は名実ともに終息しました。
アビー氏が推進する国内の改革も評価されました。エチオピアでは長年、民族対立も絡んだ抑圧的な政治が続き、16年ごろから反政府抗議運動とそれに対する弾圧が繰り返されました。委員会は声明で、アビー氏が就任後、非常事態の解除や政治犯数千人に対する恩赦、違法だった野党グループの合法化といった民主化・改革政策を積極的に進めたことをたたえました。
賞金は900万スウェーデンクローナ(約1億円)で、授賞式は12月10日にノルウェーの首都オスロで行われます。

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