（写真：THX/TTXVN）

25日には、レバノンに関する国連安全保障理事会の緊急会合が予定されています。
レバノン当局は、イスラエルの攻撃による死者は558人に上っていると発表しました。うち50人は子どもだとしています。

国連のアントニオ・グテレス事務総長は冒頭で、「われわれは事態の悪化を警戒しなければならない。レバノンは瀬戸際に立たされている」「レバノンがもう一つの（パレスチナ自治区）ガザ地区になる恐れがある」と警鐘を鳴らし、ガザの状況は「終わりのない悪夢」だと主張しました。

米国のジョー・バイデン大統領は任期最後の一般討論演説に臨み、「全面戦争は誰の利益にもならない。事態はエスカレートしているが、外交的解決はまだ可能だ」と主張しました。「（イスラエルとレバノン）両国の市民が避難先から国境地帯に無事帰還できるようにすることが、持続的な安全保障への唯一の道だ」と訴えました。

この発言を受け、レバノンのアブドラ・ハビブ外相は、イスラエルの空爆により避難を余儀なくされたレバノン国民は50万人に達する見込みだとした上で、バイデン氏の主張では「レバノンの問題解決にはならない」と落胆を示しました。

トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、イスラエルが中東全域を「戦争に引きずり込んでいる」と非難しました。「ガザでは子どものみならず、国連のシステムも死にかけている」と痛烈に批判しました。

一方、イスラエルのダニー・ダノン国連大使は、同国はレバノンに対する地上侵攻に「乗り気なわけではない」と述べ、「わが国の若者を他国に派兵したくはない」と主張しました。

その上で、「国連事務総長が人質となっているわが国民の解放について語ると、国連総会は沈黙するが、ガザ地区の苦難について語ると、割れんばかりの拍手が起こる」とし、国連総会の議論は「毎年恒例の茶番劇だ」と非難しました。（AFP）