「相互関税」大統領令、日本・EU・韓国は15%に 8月7日から発動へ

(VOVWORLD) - 日本、EU、韓国は15%とされたほか、ベトナムは20%、インドネシアとフィリピンは19%と、いずれも貿易交渉の合意に沿った内容となっています。
「相互関税」大統領令、日本・EU・韓国は15%に 8月7日から発動へ - ảnh 1韓国・ソウル南部の平沢港で輸出を待つ自動車(写真:Yonhap/TTXVN)

アメリカのトランプ大統領は7月31日、日本など各国からの輸入品に課す「相互関税」について、8月7日から新たな関税率を発動するための大統領令に署名しました。日本や欧州連合(EU)などは交渉に基づき15%となります。広範な国や地域で一斉に関税率が引き上げられることから、世界経済への影響が懸念されています。

日本、EU、韓国は15%とされたほか、ベトナムは20%、インドネシアとフィリピンは19%と、いずれも貿易交渉の合意に沿った内容となっています。最高税率はシリアの41%で、ラオスとミャンマーがそれに次ぐ40%です。文書で特定の税率が示されなかった国には一律で10%を課すとしています。

ホワイトハウスはこの大統領令について、「国家安全保障を脅かし、アメリカ人労働者に不利益をもたらす非相互的な貿易関係を是正することで、アメリカの経済的主権を取り戻すという大統領の決意を示すものだ」と説明しています。

トランプ政権は今年4月、「相互関税」の第1弾として、ほぼすべての国と地域に一律10%の基本関税を発動しました。さらに同月9日には、アメリカの貿易赤字が大きいおよそ60の国と地域を対象に上乗せ分の関税も発動しましたが、すぐに適用を停止し、7月9日までに各国・地域との貿易交渉を進めました。その後、交渉が難航したため、期限を8月1日に延長していました。

5月に英国と合意したのに続き、7月にはベトナム、インドネシア、フィリピン、さらに日本、EU、韓国と次々に合意に至りました。

日本政府は4月以降、赤沢経済再生担当相が8回訪米して交渉を重ねた結果、7月22日に合意しました。これにより、日本に対する相互関税は事前に通告されていた25%から15%に引き下げられ、輸入自動車への関税も現在の27.5%から15%に引き下げることで一致しました。ただし、今回の大統領令では自動車関税の引き下げについては明記されていません。

EUは7月27日、韓国は30日に、それぞれ日本と同様の枠組みで合意し、関税率は15%となりました。EUに関しては、既存の関税率が15%以上の品目については相互関税が課されず、15%未満の品目については上限が15%となる仕組みです。日本政府によりますと、日本にも同様の仕組みが適用される見通しですが、大統領令には明記されていません。

すでに分野別に関税が課されている自動車や鉄鋼、アルミニウム製品などは相互関税の対象外であり、税率は上乗せされません。銅や医薬品、半導体についても同様の扱いです。また、合成麻薬フェンタニルなどのアメリカへの流入を理由に25%の関税が課されているカナダとメキシコも相互関税の対象外とされています。

一方、中国とは7月29日にスウェーデンのストックホルムで閣僚級協議が行われ、8月12日としていた関税発動の停止期限を延長する方向で一致しました。両国は5月の協議で、追加関税の91%分を撤廃し、さらに24%分を90日間停止することを決定しています。これにより、アメリカが中国からの輸入品に課す関税は145%から30%に、中国からアメリカへの関税は125%から10%にそれぞれ引き下げられています。(読売新聞)

ご感想

他の情報