大統領公邸に到着した捜査チームだったが、この後大統領の拘束令状の執行を中止した（写真：YONHAP/TTXVN）

警察と捜査員約80人が同日早朝に大統領公邸の敷地内に進入しましたが、大統領警護処がこれに対抗し、令状の執行を阻止しました。この状況について捜査当局がCNNに明らかにしました。

捜査当局の声明によりますと、大統領警護処との数時間にわたる緊張状態の後、拘束令状の執行は同日午後に中止されました。現場にいる人員の安全を考慮した上での決定だとしています。拘束令状は今月6日まで有効であり、必要に応じて期限が延長される可能性もあるとされています。

尹大統領は昨年12月3日に発令した「非常戒厳」をめぐり、内乱を首謀した疑いなどが持たれています。有罪となった場合、無期刑または死刑が科される可能性があります。

裁判所は12月31日に拘束令状を発付しましたが、大統領公邸側は「適正な手続きに従って警護措置を講じる」と応じていました。

尹氏の拘束を断念した後、捜査当局は法的手続きに従わない尹氏の態度に対し「深い遺憾の意」を表明し、今後の対応について検討を進めるとしています。

また、大統領公邸付近では尹氏を支持する人々が集まり、拘束に反対するプラカードを掲げる姿が見られました。一部の支持者は英語で書かれたプラカードを持ち、アメリカ国旗を振るなどの行動を見せました。

尹氏は強硬な保守派として知られ、アメリカとの強固な同盟を維持しながら、中国や北朝鮮に対して厳しい姿勢を取る政治家として広く認識されています。（CNN.co.jp）