ベトナムの漫画

ハノイ便りの時間がやってまいりました

ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。

アン こんにちは、アンです。今日のこの時間はベトナムの漫画についてご紹介しましょうか?ホアイさん。

ホアイ 興味深いテーマですね。世界の子供たちと同じようにベトナムの子供たちもまた漫画が大好きですが、残念ながら、ベトナムではまだ漫画が発展していないため、ベトナムの子供たちは日本を始め、外国漫画の熱心なファンになってしまいましたね。

ベトナムの漫画 - ảnh 1

 

アン そうですね。まず始めに、ベトナム漫画のこの数十年の発展の道のりについてお話しましょう。ベトナムの漫画が最も盛んな時期は1986年から1990年ごろまでです。当時、歴史や昔話、探偵物など全てが漫画のテーマとなりました。

ホアイ 漫画のテーマが豊富だっただけでなく、発行部数も多く、15万部にも達する漫画もあります。今日、国内漫画の発行部数としては夢のような数字ですね。

アン そうです。当時、漫画専門の出版社のほか、全国の各省や市はいずれも漫画を出版していました。当時、国内産の漫画は日本の昔の「わら半紙」のような、紙質の極めて悪い紙に印刷されましたが、それでも子供たちの心を奪いました。また、漫画家もホットな仕事となりました。

ホアイ 1990年代に入り、『ドラえもん』の漫画本でベトナムに出版され、ベトナムの子供たちの心を奪いました。ベトナムでは今やドラえもんを知らない人はいないくらい、子供から大人まで浸透しています。多くの子供たちにとって、ノビタ、シズカなどの名前は本当に馴染み深い名前となっています。

アン ほんとに。ベトナムで、日本の『ドラえもん』の単行本は218巻を超えました。

ホアイ 注目すべきことは当時、多くのベトナムの子供たちは『ドラえもん』の漫画本のファンとなっている中、ベトナムのフンランという漫画家の『ヘスマン勇士』という漫画160巻をも出版されまた。その他、『ベトナムのスーパーマン』や『ベトナムの生まれつき天才』などの漫画の発行部数も高かったですね。

アン そうですね。しかし、なんと言っても、純ベトナム産漫画は国内市場でも日本を始め、外国の漫画と競い合うことはできませんね。

ホアイ そうです。『ドラえもん』の発行部数は一巻が3万部以上も発行されているのに対し、純ベトナム漫画はわずか数千部という状態です。

では、このへんで、ティータイムにして、歌をお楽しみいただきましょう。

お聴きいただいた歌は「幼い頃の月の光」でした。

ベトナムの漫画 - ảnh 2

話を続けましょう。『ドラえもん』だけでなく、日本の漫画はそのすべてが1万部以上発行されています。その理由について、ベトナムの若い漫画家であるグェン・タイン・フォンさんは次のように語っています。

(テープ)

「漫画制作はベトナムにとって新しいジャンルです。そのため、初心者は多くの困難に直面しています。また、プロ性に欠けるとともに、画家への補助がまったくありません。彼らは自分で、漫画を創作するだけでなく、その印刷や出版など全てを負担しなければなりません」

ホアイ 一方、ベトナムの漫画家の一人でもあるタ・フィ・ロンさんによりますと、ベトナム産漫画が発展しない理由は外国の漫画が大量にベトナムに進出しているほか、国内の漫画が面白くないということもあります。また、多くのベトナム人にとって漫画は子供向けの本であると考えています。一方、『ヘスマン勇士』の作者であるフンラン氏は純ベトナム漫画の発展の方向について、次のように語りました。

(テープ)

「純ベトナム漫画を発展させるには漫画を制作する人はもちろんベトナム人ですが、漫画のテーマもベトナムのことでなければなりません。しかし、現在の事情において、これは簡単なものではありません。ですから、外国漫画を出版する方が国内産の漫画の出版よりはるかに簡単なのです」

ホアイ 漫画家フンラン氏の話でした。2000年に、ベトナムは文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約の締結国になりましたが、ベトナム産漫画部門が直面している困難は依然として山積しています。ベトナムの漫画を発展させるためどうのようにすればよいかというのことに関して、さきほどのタイン・フォン氏は次のように語っています。

(テープ)

「様々な仕事をしなければなりません。多分、政府や出版社からの支援が必要です。例えば、韓国は文化輸出政策を取っていますから、自国の文化を国外へピーアールするため、漫画を利用しています。そうした理由から、この国は漫画家と出版社に対して、一定の優遇措置を取っています。これは多分よい方策だと思います。ベトナムの漫画は日本の漫画になかり支配されていますから、国内漫画への支援を行うことで、その発展を促進されられることでしょう」

ベトナムの漫画 - ảnh 3

ホアイ 漫画家タイフォンの話でした。ベトナム漫画がこうした事情の中で、2012年、ベトナムのダイメンション・アート(Dimensional Art)社のディン・ベト・フォン、ド・ヌー・チャン、レ・ラム・ビェン画家らが制作した漫画「ドラゴンの地」は日本の国際漫画賞の入賞作品の一つとして選ばれたのは本当に喜ばしいことですね。

アン そうですね。この国際漫画賞は海外で漫画文化の普及に貢献する漫画作家を顕彰する目的で2007年5月に創設したものです。「ドラゴンの地」の漫画は純ベトナム漫画で、ベトナムの心霊の文化が色濃いものです。その文化が漫画の言語で生き生きと表現されているのは「ドラゴンの地」の成功の原因かもしれませんね。

ホアイ そうですね。多分、この漫画が成功すればベトナム漫画の発展のための新しい方向を示唆しているとみてよいかもしれません。

アン そうですね。では、ここで歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。

アン 「学校へ通う道」をお送りしました。リスナーのみなさん。今日のこの時間はベトナムの漫画についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。           

Chao cac ban。

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