ベトナムは後2週間で旧正月テトを迎えます。この間、ハノイ市の通りには、テトを迎えるにあたり家で飾る桃の花やユリの花など各種の花を売る娘たちで目立ってきました。ハノイ市民にとって、ピンクの桃の花と金柑の植木のほかに、家に水仙を飾ることが欠くことのできない美しい習慣となっています。水仙は香りが良く、幸福の象徴だからです。ハノイを始め、ベトナムでは寒い冬の冷えきった景色の中で、鮮やかな黄色がぬくもりを添えてくれる、冬から早春を代表する花です。世界には60種類以上の原種があり、1万以上の品種がつくり出されています。花形には、やえ咲きやラッ パ咲きなどがあります。
水仙の栽培はとても気を使っています。鉢植えにする場合は、水ハケのよい培養土を使います。花壇に植える場合は、よく肥えた水ハケのよい場所を選んで植えつけます。水仙は、肥料のやり方次第で花つきが若干変わってきます。球根の植えつけ時から開花までは、リン酸分の多い肥料を施しましょう。窒素の多い肥料を施すと、花つきが悪くなることがあります。バランスよく肥料が入っている粒状肥料を利用します。美しい水仙を咲かせるためには手間がかかります。ハノイ市のギタム村に住んでいて長年、水仙の花を育てた経験のあるグェン・ビェット・ズンさんは次のように語りました。
「テープ」
「水仙の球根を剪定するのは様々な工程がありますが、そのとき、必ず、専用ナイフを使用しなければなりません。水仙の葉っぱの高さを花の高さのより短く切ります。剪定は毎日行います。」
花壇に植える場合は、秋の定植時から根が張るまでの約1か月間は、乾いたらしっかり水をやります。その後はひどく乾いた時以外は特に水やりの必要はありません。但し、鉢植えの場合は、乾いたらたっぷり水をやります。水仙は日光を好むので、日当たりがよく、水ハケのよい場所に植えないと、花がつきにくい傾向にあります。寒さにはとても強い性質があります。水仙の増やし方には、球根を分ける「分球」とタネまきがあります。通常は、球根を分けてふやします。7月中旬に葉が枯れたら、球根を掘り起こしま す。スイセンの球根は、親球の内部で分球が始まり、新しい球根が3・4個できます。これを手で割って分球し、ふやします。先ほどのグェン・ビェット・ズンさんは次のように語りました。
「テープ」
「美しい水仙を咲かせる場合、根が長くて白っぽいのが良いでしょう。花は葉っぱの上に立ち上げなければなりません。美しい水仙は水仙の根、花、葉っぱの美しさとよく調和するのです。特に、水仙の香りは甘く芳ばしい香りで素晴らしいですよ。水仙の香りは一番香りと言われています。」
ズンさんの話しでした。
清らかな美しさと素晴らしい香りで、水仙はテトを迎えるにあたりハノイ市民により愛用されています。ハノイ市ホァン・ホア・タム通りにある水仙屋さんの店主であるランさんは次のように語りました。
「テープ」
「水仙は香りがいいですから、テトになると、ハノイ市民の各家庭は家に水仙を飾っています。水仙の水は毎日取り替えるべきです。水仙はハノイ市民の大好きな花ですよね。」
ランさんの話しでした。
水仙は「水の天女」といわれており、幸福の象徴ですから、各家庭の祭壇に供えられています。これについて、ハノイ市に住んでいるグェン・ティ・トゥ・ヒェンさんは次のように語りました。
「テープ」
「水仙は幸せの象徴なので、テトがくると、いつも自宅に飾ります。水仙が新年に私の家庭に幸せをもたらすよう希望します」
ヒェンさんの話しでした。
昔から、花は美の象徴と見られていました。テトを迎えるにあたり水仙を飾ることはハノイ市民の美しい習慣となっています。これもハノイ市民ならではの文化でしょう。