竹を準備しているタイ族の女性

「アヒルの竹焼き」とは、アヒルの肉を竹の中に盛り込んで焼くという料理です。この料理をおいしくするためには、まず、大きくて厚い竹を選ぶことが重要です。大きくて厚い竹なので、長く焼いても、その中の肉は焦げずに、十分に焼きます。その竹はお肉を盛り込む前に、洗いますが、外しか洗いません。竹の中には薄膜があり、その薄膜は焼いた肉にいい香りをつけるからです。

「アヒルの竹焼き」を美味しくするためには、美味しいアヒルを選ぶことと、調味料に漬けておくこともとても重要です。ソンラ省ソンラ市フム村に住むロ・ティ・ジュさんは次のように話しました。

（テープ）

「アヒルの竹焼きに使われる調味料は、魚を元にして作られた魚醤、塩、こしょう、マックマットという葉っぱ、レモングラスなどですが、唐辛子を少し使ってもいいです。アヒルに調味料を漬けておくことは、この料理の美味しさを決める最も重要な工程です。」

「ゾン」葉っぱで竹の口を覆います。

調味料に漬けおいてから数時間後、アヒル肉を竹の中に盛り込みます。しっかりと盛り込むこととゆるく盛り込むことは、その美味しさを減らしてしまうこともあるので、ちょうどいい塩梅で盛り込むことはその調理のコツの一つです。盛り込んだ後、「ゾン」というクズウコン科の緑の葉っぱで竹の口を覆います。この葉っぱの香りにより、その料理はおいしさを増すとされています。

その後は焼きますが、強火で焼くと、竹が燃えてしまうので、弱火で焼かなければなりません。そして、竹の中の肉が全部、程よく焼けるように、竹をよく回すことが求められます。1時間半ぐらい焼くと、出来上がります。

弱火で焼きます。

こうしてできた「アヒルの竹焼き」は、アヒル肉の甘みはもちろん、各種の調味料と竹の香りのミックスによりソンラ省の名物となっていて、多くの観光客をひきつけています。中部ゲアン省から来たグエン・タイ・ホアさんは次のように話しました。

（テープ）

「ソンラ省に来るのは初めてですが、アヒルの竹焼きを食べるのも初めてです。その肉はとってもおいしくて、その香りは特別ですね。今まで食べたアヒル肉と全然違います。次回は是非ソンラ省へ家族を連れて来てこの料理を御馳走しますよ」

ベトナム北部山岳地帯のソンラ省へ一度行くチャンスがありましたら、ぜひ、「アヒルの竹焼き」を味わってみてください。