ASEAN共同体の誕生による輸入税の削減をめぐる問題

ASEAN共同体の誕生による輸入税の削減をめぐる問題 - ảnh 1

今年末、ASEAN経済共同体の設立により、多くの輸入品目の輸入税が0から5%まで引き下げられます。また、向こう3年後、ASEAN諸国からの輸入品目の97%が免税対象になります。これは国内企業にチャンスをもたらす一方、試練とみられています。

ベトナムはASEANへの加盟に際しての公約に従って、2014年までに輸出入品目の72%に対し、税率をゼロに削減しました。今年初め現在、1706品目の税率は0%になっています。また、2018年の初めまでに自動車、バイク、自動車・バイク部品、植物油、果物、家電などに対する税率が0%に削減されることになります。これにより、原材料のコストの軽減、競争力の向上、輸出市場の拡大などが得られ輸出品加工企業にとって大きなチャンスとなります。商工省に属する多国間貿易政策局のルオン・ホアン・タイ氏は次のように明らかにしました。

(テープ)

「ASEAN経済共同体は共通の生産地域をつくりますが、これは投資誘致や経済発展の促進を目指す我々の目標に見合うものです。ASEAN共同体の誕生による関税の削減につれ、貿易円滑化や非関税障壁の撤廃が図られ、国内の中小企業にとって有利となります。」

今後、多くの品目に対する大幅な減税により、ASEAN諸国から入り込む製品が急増する上で、国内企業は激しい競争に直面することが余儀なくされます。これは小さくない試練となると予測されています。財政省・国際協力局のハ・ズイ・トゥン副局長は次のような見解を示しました。

(テープ)

「ベトナムは国内生産と組み立てを奨励するため、完成品に対し、原材料より高い税率を適用しています。しかし、今後、公約に従って、完成品と原材料ともに対する税率をゼロに引き下げることになります。これにより、原材料生産企業は多くの試練に直面するでしょう。我が国の企業は主に、中小規模で、金融や技術、情報の入手などで困難があるからです。」

一方、関税の削減が実現されることで、外国品がベトナムに殺到し、国内企業は品質と価格に関する競争にさらされるとしています。ホアンマイ貿易生産有限会社の取締役会のホ・シ・チュク会長は次のように語りました。

(テープ)

「地域諸国の企業は設立から長い年月を経て、よい商標と高い威信があります。私たちはこれらの市場に進出するためには突破口をつくらなければなりません。また、政府の支援も必要です。」

中央経済管理研究院のボ・チ・タイン副院長によりますと、当面、企業は自社の生産経営分野に関連する輸入税削減の公約と時期をよく把握した上で、短期・長期的な生産経営戦略を主体的に作成し、広い市場に進出する態勢を整える必要があるとしています。タイン氏は次のように話しました。

(テープ)

「中小企業は発展戦略の作成や企業の再編に最良の財源と人材を活用しなければなりません。また、戦略やビジョンを作成する前に、国家の法律、政策や加盟方法、現在の動きへの理解を深める必要があります。」

ASEAN経済共同体は6億人の人口を抱え、年平均GDP=国内総生産は1兆3千億ドルに達し、世界で最もダイナミックな発展を遂げる地域であると評されています。現在、ASEANはベトナムの第2位の輸入先である一方、第3位の輸出先となっています。今後、ベトナム企業は地域経済への参入を促進するため、労働効率の向上、生産コストと価格の削減、製品の質的向上に力を尽くさなければなりません。

ご感想

他の情報