この数年間、ベトナム中部高原地帯ティグェン(TayNguyen)地方の各省では、貧困世帯への支援活動が頻繁に行なわれてきました。これにより、多くの家庭が貧困を乗り越えることができました。
ダクラク(DacLac)省ブオンマトット(BuonMaThuot)市ホアスアン(HoaXuan)村クブK’Bu村落にある小さな家では、みな壷に入ったお酒竹のストローで飲みながら、家主のホエルニエ(H’ElNie)さんが語る2008年から飼ってきたヤギの群れの繁殖と発展について耳を傾けています。その話によりますと、4年前は、わずか3匹の種ヤギだけでしたが、現在は22匹になりました。
彼女の家庭はコーヒー畑と牧場の拡大を目指し、7匹を売ったばかりだということです。現在、ヤギの群れの中の3匹がまもなく出産を迎えます。また当初3匹の種ヤギはタンタン(TanThanh)農民協会から提供されたものです。種ヤギをあげた後、同協会は牧畜技術や疫病対策措置などについて案内しました。ホエルニエさんは次のように語っています。
(テープ)
「種ヤギをもらったときは、とても嬉しかったです。タンタン農民協会は我が村の人々に常に配慮しています。なぜかというと、現地の各家庭はまだまだ困難ですからね。ヤギの牧畜とそれが売れたお陰で、我が家の生活は改善されてきました」
ホエルニエさんはこのように語りました。
タンタン農民協会のグェン・ティ・アン・ト会長は「ヤギの牧畜というモデルは、地元の貧困世帯を支援する効果的な活動である。ホエルニエさんの家庭では、ヤギは大きな効果を遂げた。そこで、今後、同協会は他の貧しい家庭でもこうしたあり方を拡大してゆく」と明らかにし、次のように語っています。
(テープ)
「近日中に、私はクブ村落の党委員長、村長、農民教会に新しい貧困家庭を選ぶように提案します。私はこれらの貧困家庭を補助したいのです。同時に、ヤギの技術などについて支援します。ヤギが盛んになれば、生産協同組合の設立を働きかけます。その時に、ヤギからできた製品の販売ルートを設けます」
ト会長はこのように語りました。
貧困家庭に対し種になる家畜、牧畜と栽培の技術などを補助することは中部高原地帯テイグェン地方においてかなり普及しています。しかし、コントム省では、2009年に発生した台風9号の甚大な被害の影響で、数多くの田畑が壊滅し、住民の財産が洪水で流されました。そこで、種子や技術などの支援のあり方だけでは差し迫った要求に応えることができませんでした。
こうした状況を前に、ダクハー(DacHa)県行政府はコミュニティ食糧銀行を設立することにしました。それから1年後、ダクハー県の63箇所の少数民族居住地では61のコミュニティ食糧銀行が設立されるようになりました。支援者や企業経営者などは、これらの銀行の活動のために200トンのコメを寄付しました。村長、婦人会、祖国戦線の代表は銀行管理委員会のメンバーとして、融資の金利を決めます。その手続きもとても簡単です。ダクウイ(DacUi)村に住むアディンさんは、こうしたあり方について次のように明らかにしました。
(テープ)DINH
「コミュニティ食糧銀行が設立されてから、困難な状況にある家庭を大々的に手伝ってきました。私の家庭と他の家庭はこの銀行のお陰で、食糧不足の状態を乗り越えることができました」
アディンさんはこのように語りました。
テイグェン地方における企業経営者や余裕のある個人ばかりがコミュニティに寄付するのではなく、普通の家庭でも有意義な寄付をしてきました。多くの家庭は、学校や娯楽施設の建設のために、建設予定地を自発的に寄付してきました。テイグェン地方に住む人々は、様々なあり方を通して、団結して補助しあい、より快適な暮らしに寄与して行くことでしょう。