「サオクエ賞」2025の授与式　　写真提供：VINASA

これらの企業が持つ不断のイノベーション精神は、国の新たな発展段階において極めて重要な役割を果たしつつあります。先ごろ、「サオクエ賞」2025の授与式で、情報通信技術分野の198点の製品・サービス・ソリューションが表彰されました。この賞は、ベトナムソフトウェア・ITサービス協会（VINASA）によって22年連続で開催されているものです。今年の特別な点として、推薦された案件数が前年と比べ、1.5倍となりました。これはベトナムのデジタル技術企業の絶え間ない創意工夫の証しでもあります。

フオン副大臣　　写真提供：MIC

ベトナム科学技術省のブイ・ホアン・フオン副大臣は次のように述べました。

（テープ）

「この時代において、AI＝人工知能やビッグデータといった戦略的デジタル技術の急速な発展を目の当たりにしています。国家機関のみならず、民間企業においても、ベトナムが科学技術、イノベーション、デジタル化を基盤とする新たな時代へと突入していることが広く認識されています。「サオクエ賞」は、これまで情報通信技術分野の発展とともに歩んできましたが、現在ではその役割を拡張し、DX＝デジタル・トランスフォーメーション分野を支える存在ともなっています」
情報技術からデジタル技術への移行、個別ソフトウェアからプラットフォーム技術への発展、支援ツールから本格的なデジタルソリューションの変革に対して的確に対応するだけでなく、デジタル企業によるイノベーションは、技術の先進性、実用性、収益性、市場シェア、ユーザー数などの新たな評価基準を満たす形で進化を続けています。特に、AI＝人工知能の研究と応用における躍進が顕著です。「革新的・新製品部門」で推薦された54件の製品は全て、開発の初期段階からAI技術が組み込まれていることがその証です。

販売管理、仕入れ管理、サプライチェーン管理分野においてSapoテクノロジー株式会社「SAPOEnterprise」のAIおよび自動化を活用したオムニチャネル運営ソリューションが高く評価され、2025年の「サオクエ賞」を受賞しました。このソリューションを提供する「Sapo Enterprise」のディレクターであるチュオン・トー・リン氏は次のように語っています。

（テープ）

「当社のソリューションは、あらゆる規模・段階の企業に対応可能です。これはSAPOが市場に対する貢献であることを誇りに思っています。今後も、さらなる飛躍を目指し、国外市場にも製品を提供できるよう、自信を持って努力を続けています」

VINASA＝ベトナムソフトウェア・ITサービス協会の統計によりますと、2025年に「サオクエ賞」を受賞したデジタルテクノロジー企業の2024年の総売上高はおよそ48兆ドン（約20億米ドル）に達し、ベトナム全体のソフトウェア・ITサービス業界の売上の約20％を占めました。

VINASAのグエン・ヴァン・コア会長は、これらの企業が国内市場にとどまらず、「ベトナムの知的ちから」を世界市場へと輸出していると明らかにしました。AI、ブロックチェーン、クラウドコンピューティングを活用したソリューションが、日本、欧州、北米といった主要市場の大きな契約に次々と採用されており、ベトナムは地域と世界におけるデジタルサービスおよびイノベーションの拠点としての地位を着実に確立しつつあります。

（テープ）

「サオクエ賞で表彰された製品・ソリューションは、単なる技術的成果にとどまらず、飛躍の時代における国家の発展に資する戦略的貢献でもあります。これは政治局の決議57号の精神が力強く波及している証拠です。VINASAは現在、科学技術省をはじめとする関連機関と連携し、100万社の企業と520万の個人事業者に対応可能なデジタル基盤の構築を進め、民間経済セクターの発展を加速する取り組みを強化しています」

ベトナムのデジタル企業が提供する製品やソリューションは、実際のビジネスへの活用を通じて、さまざまな組織や企業、個人事業者における業務プロセスの最適化、コスト削減、競争力の向上、そして持続的な成長力の強化に大きく貢献しています。現在、VINASAは、「ベトナムデジタル技術企業マップ」の構築にも取り組んでおり、国内におけるデジタル製品・サービスの提供者に関する正確かつ包括的な情報の提供を目指しています。この取り組みにより、今後、技術活用とデジタルトランスフォーメーションの広範な展開が一層促進されると期待されています。