ハノイ 半導体産業への投資を誘致する潜在力と機会

(VOVWORLD) - 半導体産業は、高い経済価値を持つ重要な産業であることから、ベトナムを含む多くの国々の戦略的な発展方向となっています。専門家によりますと、首都ハノイは、その戦略的な位置と特有のメリットを活かし、技術分野、中でも半導体産業開発への投資を誘致するため、大きな潜在力とチャンスに恵まれると評価されています。
2050年を見据えた2021-2030年期のハノイ首都圏開発計画では、世界の最先端技術トレンドに沿って、ハノイ市が半導体マイクロチップとAI=人工知能産業の開発を優先し、新興産業の発展をリードすることが定められました。また、ハノイを科学研究、技術開発、イノベーションの中心地として確立し、紅河デルタ地域および国全体のイノベーションシステムと連携させることを目指しています。さらに、ハノイを国内有数の半導体・AI製品の設計・供給センターに発展させ、いくつかの分野で地域および世界の国々と同等の発展度合いに達するという目標が設定されました。
ハノイ 半導体産業への投資を誘致する潜在力と機会 - ảnh 1ビエト・フン氏  写真提供:VnEconomy

ハノイ市情報通信局のグエン・ビエト・フン局長は次のように語りました。

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「首都圏開発計画において、ハノイの半導体産業やデジタル技術産業、チップ産業の発展の支援計画について言及しました。例えば、ホアラック・ハイテクパークは、ハノイ西部に新都市として位置付けられます。地理的条件、交通の便、人材の面で、ハノイは完全にベトナムのチップ製造センターとしての役割を担うことができます」

現在、市内には総面積2930ヘクタールのおよそ11か所の工業団地はインフラ整備が終了し、稼働が開始されました。これらの工業団地には、先進国からの大手企業が数十億ドルを投資し、複数の製品がグローバルバリューチェーンに参入しています。その中で、ホアラック・ハイテクパークは最も際立っています。ホアラック・ハイテクパークは面積およお1600ヘクタールで、現在、111件の投資プロジェクトが進行中で、総投資額は44億9千万ドルを超えています。ハノイはホアラック・ハイテクパークをグリーンテクノロジー地区、ハイテク開発の中核地区として発展させる方針を掲げており、109件のプロジェクトのうち、74件の投資プロジェクトが特別優遇措置を受けながら、ハイテク製品の開発に集中しています。

インフラ投資に加えて、この間、ハノイ市は投資・ビジネス環境の改善を継続的に行い、行政手続きの点検・簡素化を進め、手続きの受付・処理時間を短縮し、市民、組織、企業のための利便性向上とコスト削減を図ってきました。同時に、企業支援政策の策定・実施や投資促進活動の展開、企業との対話など、多くの取り組みを行い、企業が生産・経営過程で直面する様々な困難や障壁の解決を支援してきました。

計画投資省のNIC=国家イノベーションセンター副所長のボー・スアン・ホアイ博士は次のように述べています。

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「現在、ハノイは半導体産業を発展させるための多くの必要条件を備えています。メカニズム・政策面では、2025年1月1日に発効する首都圏法が国会で可決され、半導体産業や人工知能に対する特別優遇政策が多く盛り込まれています。注目すべきは、新技術の試行導入メカニズムや、投資家への優遇措置、これら2つの産業への国内外の専門家の誘致制度が含まれていることです。インフラ整備に関して、現在、ハノイにはホアラック・ハイテクパークがあり、ここにFPT、Viettelなどの大手テクノロジー企業やハイテク企業が立地しています。また、ハノイ国家大学、FPT大学などの主要な大学に加え、VKIST=ベトナム・韓国科学技術研究所や国家イノベーションセンターも入居しています」

半導体産業の開発において、質の高い人材は不可欠な要素の一つです。現在、ハノイには、ハノイ工科大学、ハノイ国家大学に属する工科大学、FPT大学など、技術分野で国内トップクラスの大学があり、半導体技術に関する専門的な教育カリキュラムを提供し、産学連携も行われています。ハノイ国家大学に属する工科大学評議会議長のグエン・ディン・ドゥック教授・博士は次のように述べています。

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「ここ数年、ハノイは複数の大学への投資や研究協力プロジェクトを行ってきました。その中に、ハノイ国家大学やハノイ工科大学などが含まれています。これは、ハノイがデジタルトランスフォーメーションと半導体産業の発展において大きなリソースを持つ地域であることを示しています」   

専門家によりますと、インフラや政策、人材などに関するメリットが揃っていることから、ハノイ市は技術分野、特に半導体産業に携わる投資家にとって魅力的な投資先となる要素が十分にあるとしています。2023年9月、南ハノイ工業団地(Hansip)に入居しているハノイ工業・輸出加工区管理委員会はInventec Techlonogy Vietnam有限会社や、スマートフォン、サーバー、PCの周辺機器、電子回路基板、スマートデバイス用アダプターなどの輸出向け製品を製造するInventec Techlonogy Việt Nam社に投資許可証を発給しました。これより前に、ドイツ最大の半導体チップメーカーInfineon Technologies AGはハノイに半導体チップ開発センターを設立し、このセンターをドイツのミュンヘン、オーストリアのフィラッハ、インドのバンガロール、シンガポールの国際R&Dセンターと同様の国際標準の研究開発拠点に発展させる計画があります。そのほか、Nvidia、Apple、SpaceX、Qorvo、Mavel、Intelなどの世界の大手テクノロジー企業が半導体やAI分野での投資プロジェクトを研究・展開するため、ハノイ市に進出しています。これらの実績は、首都ハノイが戦略的投資家を誘致する上で大きな優位性となっています。FPT IS社およびFPT半導体株式会社を兼任するチャン・ダン・ホア社長は次のように語りました。

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「バイデン大統領のベトナム訪問は、ベトナムに6000億ドル規模の半導体産業のサプライチェーンに参加する大きな機会を開きました。そして、ハノイはベトナムの半導体産業発展戦略において欠かせない一部分となるでしょう」

半導体産業の収益が1兆ドルを超えると予測されています。ハノイにとって、この産業は数十億ドルの輸出額をもたらすと同時に、首都の工業化近代化を促進する基盤を作り出すと期待されています。2024年の首都圏法および将来のハノイの開発計画は、半導体マイクロチップと人工知能産業の発展を優先事項として定めています。これは、ハノイが将来、半導体産業の中心となるための基盤および原動力となります。

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