インフレ抑制やマクロ経済の安定化、経済成長の維持はベトナムの共産党と政府が2012年の優先課題として出した任務です。この目標の達成のために、緊急措置のほか、政府は経済再構築を行っており、その主な柱は、公的投資の再構築や国営企業の再構築、金融市場の再構築となっています。これまで、経済再構築活動が効果を上げていると評価されています。
2012年に世界的経済危機が複雑に推移している背景の中にも、政府は経済再構築を成長モデルの刷新と結びつけるという路線を堅持しています。グエン・タン・ズン首相は第11期党中央委員会第3回総会の決議を実施し、公的投資の再構築や国営企業の再構築、金融市場の再構築に関する案を承認しました。これらの案によりますと、経済全体の総合的な力が活用されるということです。
ヴー・ディン・アィン(Vu Dinh Anh)経済博士は次のような見方を示しています。
(テープ)
「ベトナムは、経済力がまだ弱いので、最も重要なプロジェクトを選ぶ必要があります。これらのプロジェクトはインフラ面だけでなく、財政面でも効果をあげることができるものでなければなりません。これは、公的投資のリスクの削減に寄与します」
アィン博士はこのように語りました。
政府は、経済再構築を銀行システムをはじめとする金融市場の再構築から始めました。このプロセスは銀行利率をインフレ率に対して適切な程度まで引き下げることや、市場の動きにより外貨の為替相場を調整すること、ベトナムドンの価値を確保すること、金市場の管理体制を充実させること、外貨準備高を増やすことなどで開始されました。
これらの措置は効果をあげています。統計によりますと、今年1月から11月に、経済は好転しています。具体的には、インフレが抑制され、マクロ経済が安定しているということです。また、CPI=消費者物価指数が0・31%に引き下げられ、GDP=国内総生産の伸び率が約5・2%に達しているとしています。しかし、政府は慎重な姿勢を引き続き示しています。
政府の11月例会議で、ズン首相は次のように語りました。
(テープ)
「望ましい成果を収めていますが、慎重でなければなりません。インフレが抑制されましたが、年末までに、価格管理を強化する必要があります。銀行の活動に対する管理も強化します。企業の困難の解決を進めながら、インフレを抑えることは重要です」
ズン首相はこのように語りました。
今年の成果は来年と次の年に有利な条件を作り出します。このため、2012年から2020年期の政府の経済発展戦略が成功すると期待されています。