(VOVWORLD) - ベトナムとEU=欧州連合のFTA=自由貿易協定は新世代のFTAであり、物品貿易のみならず、投資、サービス貿易、電子商取引、政府調達、知的財産などの幅広い分野をカバーする包括的な協定です。
また、CPTPP=包括的、及び先進的な環太平洋戦略的経済連携協定とともにベトナム企業の発展や輸出の強化に有利な条件を作り出すとしています。
ベトナムとEUのFTAの署名により、ベトナム企業は有望な市場への輸出を推進し、手頃な価格で品質が高い設備、原材料を輸入するチャンスを手にするものの、原産地や技術障壁に関する規定に応え、生産モデルを変更し、競争力を向上させなければなりません。VCCI=ベトナム商工会議所のブ・ティエン・ロック会頭は次のような見解を述べました。
(テープ)
「企業は輸出市場を再び定める必要があります。有利な税制を適用する市場に進出するため、必要な基準を満たさなければなりません。また、提携先の模索を急ぐ必要があります。さらにターゲットとする市場を定める際、リスクを回避するため、市場の多様化を進めるべきです。」
物品貿易については、EUは品目ベースで85.6%の関税を協定発効時に即時撤廃し、最終的には7年かけて99.2%を撤廃することから、ベトナム企業に大きなチャンスをもたらすと見られます。また、水産物、コメ、砂糖、コショウ、カシューナッツ、蜂蜜、青果などの輸出の強化が図られると予測されています。
一方、繊維製品に関し、EUはアメリカに次いで、ベトナムの第2位の輸出市場で、年平均伸び率は7%~10%に達しています。2018年、EU向けのベトナムの繊維製品の輸出額は40億ドルを超えました。ホ・グオム紡績縫製株式会社のフイ・ゴック・チン社長は「EVFTA発効で繊維製品の輸出額は400億ドルを突破すると期待されているが、競争が激しくなる」との見解を示し、次のように語りました。
(テープ)
「EVFTAが批准されれば、紡績縫製企業をはじめ、ベトナム企業の欧州市場への輸出が強化させるでしょう。また、繊維製品の関税は0になります。現在の平均税率は9.6%です。同協定の批准を控えて、紡績縫製企業は競争力の向上、労働者の誘致、欧州の基準を満たすような製品の質的向上に尽力する必要があります。」
一方、Eurocham=在ベトナムヨーロッパ商工会議所のグエン・ハイ・ミン副会頭は次のように語りました。
(テープ)
「紡績縫製と革靴はEVFTAの大きなメリットを享受する2つの分野です。ただ、企業は原産地原則に注視しなければなりません。ベトナムのほか、EUと貿易協定を締結した韓国などの布地を使えば、原産地原則を満たし、優遇税制を適用されることになります。」
先ごろ、商工省は政府にEVFTAの批准手続きの展開を提出しました。現時点で企業は同協定への理解を深めた上で、業界団体を通じて、工業団地のサプライ・チェーンを活用して、ロジスティックス費用の軽減、製品の質的向上、価格の引き下げ、競争力の向上に力を尽くさなければなりません。