この数年、ベトナムは胡椒の生産と輸出で世界の1~2位を争う座についていますが、生産・加工発展計画が不充分なことから胡椒価格がいくつかの国より低くなっています。また、商標づくりについても適切な処理がとられていません。こうした事情を踏まえ、ベトナムは胡椒の持続的な輸出に向け、胡椒のブランド化に力を入れています。
近年、ベトナム胡椒の質は絶え間なく向上しています。また、この5年をみても、胡椒の輸出額は年平均8億ドルから10億ドルに達しています。輸出市場も拡大されつつあり、80の国と地域にわたっています。昨年、胡椒は輸出額の高い農産物の中に入りました。年初以来、3万8千トンの胡椒が輸出され、額にして2億5400万ドルを超えました。
ベトナム胡椒協会のド・ハ・ナム会長は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナム胡椒の輸出は大きな伸びを見せ、名前があまり知られていなかった胡椒輸出国から世界の胡椒輸出量全体のおよそ50%を占める輸出大国へと成長しました。現在、ベトナムの胡椒は世界の胡椒市場の価格を左右しています。」
これまで、ベトナム胡椒の輸出量は大きいものの、安定性を見せていません。生産業者、代理店、加工企業の連携が重視されなかったことが理由の一つです。また、胡椒の販売は主に商人を通じて行われてきたことで、価格は安定しませんでした。こうした背景の中で、胡椒を持続的に発展させるに際し、技術問題や消費市場に配慮しなければなりません。中部高原地帯ダクラク省、ツセ県に住む胡椒栽培業者のグエン・バ・ティンさんは次のように話しました。
(テープ)
「企業各社は品質が確保されない胡椒を購入し、外国に出荷するならば胡椒価値や商標にマイナスの影響を及ぼす恐れがあります。それで、企業は胡椒の購入に際し、品質の証明書を渡すよう栽培業者私たちは希望します。」
これを受け、ツセ県胡椒協会は商人なしで農民と企業を連携させるセンターを設立しました。これにより価格の監視や原産地の確定が可能となります。ベトナム胡椒協会はこれを開発する必要があるモデルとし、ツセ県の胡椒のピーアールを進め、EU=欧州連合諸国やアラブ首長国連邦でマーケティングを行っています。また、政府はこの貿易振興活動に対する投資を承認しました。
ベトナム胡椒協会のド・ハ・ナム会長は次のように述べました。
(テープ)
「まず宣伝を行うと同時に各地方で胡椒消費を担当する農務事務所を設立し、科学者や品質監視機関のガイドが盛り込まれるパンフレットを配布する必要があります。これにより、農民は胡椒を持続的に生産して、初めて持続的な輸出市場をつくるようになることを理解することでしょう」
現在、胡椒部門は原材料地域づくりと国際基準を満たす胡椒の安全生産に取り組んでいます。また、世界一位の胡椒輸出大国という座を確保するだけでなく、経済発展や国民の生活水準の改善に向け、胡椒の商標づくりを精力的に促進しています。