今年に入って、様々な困難があったにも関わらず、ベトナムの農、林、水産物の輸出はかなりの伸びを見せています。その中で、水産物、米、コーヒー、ゴム、木工製品、カシューナッツの輸出額が10億ドルを超え、「10億ドルクラブ」に入ったことになっています。
ベトナム農業農村開発省の統計によりますと、今年初めからの9ヶ月、農、林、水産物の輸出累計額は204億ドルに達し、昨年同期と比べ、10%増となりました。水産物の輸出額は昨年同期と比べておよそ3・5%増にあたる45億ドルに達し、トップに立っています。また、米の輸出量は620万トンで、額にして、27億8千万ドルに達しています。これは農民補助政策、食糧価格安定化の実施によるところが大きいと見られます。政府は持続的な農業発展を目指し、400万トンの米を備蓄できるような倉庫を建設するという主張を固め、米の輸出企業に備蓄を義務付けました。北部食糧会社のブイ・ティ・タイン・タム副社長は次のように語りました。
(テープ)
「ロシア、インド、ミャンマーは国内備蓄の増加と食糧価格の安定化を目指し、輸出を一時的に停止すると決定しました。私たちもこれに配慮する必要があります。低価格で販売することではなく、売上高の引き上げと同時に農民の利益の確保を図るため、販売の時期を検討しなければなりません。」
タム副社長はこのように語りました。
ベトナム食糧協会によりますと、米の輸出は好調で、700万トンという輸出目標値を上回ると予測されています。また、この9ヶ月、コーヒーの輸出量は136万トンに達し、輸出額は28億5千万ドルにのぼりました。これにより、8月半ばの時点で、ベトナムはブラジルを抜き、世界最大のコーヒー輸出大国へと成長しました。更に、カシューナッツの輸出量はおよそ16万トンで、額にして10億ドルを超え、ベトナムの世界第一のカシューナッツ輸出大国という地位は保証されています。そして、木工製品の輸出も回復の兆を見せ、輸出額はおよそ34億ドルに達しています。経済の専門家によりますと、これまでの農、林、水産物の輸出の成長は世界経済が停滞している中でのベトナム農業部門の臨機応変な対応と競争力向上を示しています。しかし、世界市場が予想できないほど変動している現在、各企業はチャンスを生かすとともに、生産補助政策を取る必要があるとしています。先ごろ、行われた政府の8月の月例会議でグェン・タンズン首相は次のように語りました。(テープ)
「食糧価格が値上りし、輸出が順調に行われているとともに、食糧の生産高が増加していますが、農民への資金補助を強化すれば、この二期作が豊作となることでしょう。また、水産物の養殖は農業部門の強みで、チャという魚や海老の輸出が大きな伸びを見せている現在、市場開拓と生産を促進すると更なる利益が上がると思います。更に、輸出価値の向上を目指し、加工活動も強化しなければなりません。」
ズン首相はこのように語りました。
商工省によります、今年初めからの9ヶ月、国内各地の輸出総額は837億8千万ドルとなり、その中で、輸出超過額はおよそ3400万ドルに達しています。農、林、水産物の輸出額はこの数字に大きく寄与したとみられます。