(VOVWORLD) - 国会議員らは、「『インフレを抑制しながら経済回復・成長を促進する』という二重任務を実施するためには、複数の措置を同時にとる必要がある」と強調したうえで、国家銀行に対し、「今後も、臨機応変な政策を維持するよう」訴えました。
去る9月末、ベトナム国家銀行(中央銀行)は主要政策金利を1%引き上げました。その後、10月末にも引き上げの決定を発表し、利上げは2か月連続とにりました。これらは、「経済回復とインフレ抑制を促すよう補助しながら金融・銀行システムの安全・安定を維持する」という二重の任務の実施に寄与し、世界の財政・金融状況に合致する措置とみられ、ハノイで開催中の国会でも高く評価されています。
主要政策金利を引き上げるだけでなく、国家銀行は10月17日、対米ドル銀行間為替レート(中銀公定レート)の許容変動幅を3%から5%に拡大しました。
中央銀行が通貨ドンの許容変動幅を調整するのはほぼ10年ぶりです。また、中央銀行の取引所は同日、米ドル為替レートを約1.9%切り下げ455ドン安へと調整しました。国会経済委員会のブ・ティエン・ロック委員は、「これは市場の要求に応える措置である」と分析し、次のように語りました。
(テープ)
「米ドルの為替レートが上がり、ほかの外貨のレートが下がっている状態で、許容変動幅を調整しなければ、ベトナムドンは大きな圧力を受けます。そのため、許容変動幅を調整することは適切な措置であると思います」
国会経済委員会のブ・ティエン・ロック委員=qdnd.vn |
現在、多くの国で、深刻なインフレが続いています。こうした中、為替相場の管理と適切な調整は重要性が増しています。これは輸出入や、外国為替市場などに影響を与えるからです。
ファム・ドゥク・アン国会議員は次のように語りました。
(テープ)
「経済成長を促進するための各銀行の貸し出しは11%増加しています。一方、資金動員の増加率は4%にとどまっています。同時に、公共投資の資金調達も停滞しています。これらは資本不足につながっています。こうした中、各銀行は活動を維持するため、数回にわたり金利を引き上げてきました。年初からこれまで、その累計比率は3%に達しています」
一方、北部ハイズオン省選出のグエン・ゴック・ソン国会議員は国家銀行の金融政策について、次のように評価しています。
(テープ)
「国家銀行の臨機応変な政策運営についてですが、余地が大きいと思います。重要なのは各企業が資本金を効果的に使用しなければならないということです」
他方、国会財政・金融委員会のチャン・バン・ラム常務委員は次のような見方を示しています。
(テープ)
「金利の引き上げは貸し出しの制限につながります。これは効果的な解決策となっています。これまで、インフレ率は低い水準に抑えられていますが、これは国家銀行がとっている適切な措置によるものといえます」
国会議員らは、「『インフレを抑制しながら経済回復・成長を促進する』という二重任務を実施するためには、複数の措置を同時にとる必要がある」と強調したうえで、国家銀行に対し、「今後も、臨機応変な政策を維持するよう」訴えました。