農業再構築事業について


2014年は、政府が昨年6月に承認した再構築案を実施しているベトナム農業部門にとって重要な節目でした。今年、多くの地方は新しい技術を導入し、広い田んぼというモデルによる稲作や、工業用植物栽培、質の高い畜産などを行っています。これらはスタート地点に過ぎませんが、ベトナム農業の将来に基礎を作り出すものと評されています。


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農業再構築案には、農業生産活動の組織の刷新が重要な任務として定めています。それにしたがって、農業部門は、栽培や、畜産、水産物養殖、水利などの分野で、様々なプロジェクトを行っています。

これまで、各地方は稲作に適さない8万7000ヘクタールの稲作用地を、トウモロコシや、落花生、ゴマな価値の高い農産物の栽培に転用してきました。ま

た、農家と企業の連携による稲栽培・経営モデルが43の省で効果的に展開されおり、その総面積は12万1000ヘクタールに上っています。畜産分野も、新しい技術や、新しい疫病予防方法などを導入し、製品の生産量と質を徐々に高めています。

林業に関しては、植林活動の質的向上や、木工製品の付加価値作り、木工製品と木材の市場拡大、バリューチェーンによる林業生産モデルの導入が優先課題と見られています。

水産分野に関しては、養殖と天然資源の保護、沿海漁業、収穫後の損失削減などが進められています。

農業農村開発省所属計画局のグエン・ティ・ホン局長は次のように語りました。

(テープ)

「栽培、畜産、水利、水産物の各分野は、製品の質的向上と付加価値作りという方向に沿って、再構築を進めています。これまで、広い田んぼによる稲作、農家と企業との連携による農業生産、共同生産組合間の協力による農産物生産・経営など新しいモデルが出ています。これらは農業生産のバリューチェーンを作り出しています。」

2014年は、ベトナム農産物の輸出額が前年と比べ3%増に当たる300億ドルを突破した最初の年です。これは農業再構築案の効果を示すものと評されています。

しかし、未解決問題がまだ山積していることも指摘されています。中でも、生産活動の組織の刷新がまだ遅いこと、農業生産を補助する政策が足りないこと、各地方間の格差がまだ大きいことなどが取り上げられています。

農業農村開発戦略研究院院長のダン・キム・ソン博士は次のような見解を示しています。

(テープ)

「農業再構築案に原動力を作り出すために、今後、天然資源開発から最も重要な資源とされる人間資源の開発にシフトする必要があります。また、農業科学技術の発展や、インフラ整備、人材育成なども重要です。さらに、政策や、組織などの刷新も欠かせないと思います」

農業再構築事業はベトナム経済全体の再構築事業の重要な柱の1つです。これは、国の経済社会発展事業と環境保護事業に合致するものでもあります。

多くの困難に直面していますが、ベトナムは農業再構築案を進めていく方針を打ち出しています。これにより、農業部門の迅速かつ持続的な発展に強固な土台を作り出すと期待されています。

 

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