今年1月から8月現在、ベトナムの野菜と果物の輸出額は17億ドルを超えており、前年同期と比べ、130%増加しています。これにより、今年通年のその輸出総額は25億ドルに達する可能性があります。野菜と果物の輸出額がコメを上回るのは今回が初めてで、野菜と果物の輸出品としての大きな潜在力を示すものと見られています。
ベトナム青果が36カ国・地域に輸出(写真:Baonghean)
この10年間、野菜と果物の輸出は急増しています。2015年、これらの製品は36カ国・地域に輸出され、その金額は2億3500万ドルにとどまりましたが、今年は輸出先の数が60カ国・地域、そして、金額は17億ドルに達しています。
その増加は、企業の投資を更に誘致するだけではなく、農家の収入向上や、ベトギャップとグローバルギャップなどの基準によるクリーン生産に関する認識の向上などにも寄与しています。アメリカにライチを輸出するバクザン省ルクガン県の組合のザップ・バン・タイン組合長は次のように話しています。
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「我が村は、アメリカへのライチ輸出プロジェクトに参加している270戸の家庭がありますが、生産コードは6つしかありません。このため、参加したいものの参加できない家庭もあります。クリーンライチの生産は収益が大きいので、そのモデルの拡大を望んでいます。」
近年、野菜と果物生産部門は輸出市場の拡大に力を入れています。中でも、日本や、アメリカ、EU=欧州連合、韓国、カナダ、オーストラリアなど要求が厳しい市場もあります。各企業によりますと、これらの厳しい市場の開発は二重の利益をもたらします。これらは、単一市場への依存度の削減と農産物の商品化としています。
農業に携わる企業AIC社のグエン・チー・ゴック社長は次のような見方を述べています。
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「世界経済への参入はバリューチェーンによる生産を求めますが、これはベトナム農業の持続可能な発展と農家の収入の安定化に役立ちます。また、輸出企業にとっても重要な意義を持っています。というのは、輸出品の質が死活問題だからです。」
一方、ベトナム種子植物協会のチャン・ディン・ロン会長は「今後も野菜と果物の輸出は急増する」と予測し、次のように語りました。
(テープ)
「世界の野菜と果物市場は迅速に発展し、その需要も高まっています。現在、農民たちはベトギャップなどクリーン生産モデルのメリットを理解できるようになっています。これらは野菜と果物生産・輸出部門に大きな利益をもたらすものです。今後、各企業の参加や、ハイテクに関する要求が高まると思います。」
一方、エコノミストらは、「野菜と果物生産・輸出部門にとって最も大きな障壁は植物検疫と食品安全衛生に関する規定である」と指摘しています。植物保護検疫局所属検疫課のレー・ソン・ハー課長は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナム産果物と野菜が要求の厳しい市場に輸出されている背景の中で、我々は各市場に関する研究を進めます。また、ASEANや、中国など伝統的市場も維持します。それぞれの市場に対して、それぞれのやり方をします。」
農産物の輸出が多くの困難に直面している背景の中で、野菜・果物輸出の増加は積極的な兆しと見られています。そのメリットを活用するために、ベトナムは、今後、その生産への新しい科学技術の導入や、農民の意識向上と教育・訓練を進めるなどして、投資を強化する方針を打ち出しています。