(VOVWORLD) -2026年の午年を祝うベトナムの人々は、例年と同様に家族団らんの喜びを楽しむだけでなく、ベトナムの新たなチャンスにも期待を寄せています。
新年の始まりにあたり、確かな自信をもって大海原へと乗り出し、その存在感を示す国・ベトナムの姿をお伝えする特別番組
「統合への願い― 国際社会とともに歩むベトナムの春」を、これからお届けします。
それぞれの個人と企業へ広がる“統合”の春
新年に入り、ホーチミン市の多くの路線バスから紙の切符が姿を消しました。今では、スマートフォンを軽くタッチするだけで、誰もが公共交通機関を利用できるようになっています。
この利便性を支えているのが、若手エンジニア、レー・イエン・タイン氏が研究・開発したテクノロジーです。
タイン氏(写真:VGP) |
グーグルでの勤務経験を持ち、2022年には「フォーブス・アジア30アンダー30」にも選ばれたタイン氏は、あえてベトナムに残り、人工知能(AI)を公共交通に導入し、スマートシティの実現に挑んでいます。
(テープ)
「テクノロジーへの情熱と社会への貢献、その両方を実現したいと考え、バス関連の技術開発に専念することを決めました。都市の公共交通を、より便利なものにしたいのです。」
同じ思いを抱くのが、ソラノ・エナジーのCEOであるチャン・トゥアン・アイン博士です。イギリスやアメリカでの長年の研究生活を経て帰国し、先端エネルギー分野に身を投じ、世界地図におけるベトナムの「グリーン・パスポート」構築を目指しています。
アイン氏(写真:TTXVN) |
アイン氏の話です。
(テープ)
「いま世界は、経済的なチャンスという視点からベトナムに注目しています。ベトナムを世界に知られた国にしたいという誇りこそが、努力の原動力になるものだと思います。」
若者たちは立場が違いますが、一つの共通点で結ばれています。それは、それぞれの分野における統合を押し進めるということです。国際統合を進めながらも、ベトナムのアイデンティティと知識を携えて、現代社会の中で確かな一歩を刻むことです。
イエン・タイン氏やトゥアン・アイン氏のように、知識を“てこ”として都市の姿を変える若者がいる一方、工場では、機械の鼓動とともに、製品が世界へと送り出されています。木材輸出に挑むフォメックス・グローバル社の歩みは、その象徴的な一例です。
生産ラインの安定したリズムの中で、合板は次々と仕上げ工程を終え、国際市場へ向かう準備を整えています。フォメックス・グローバル社のグエン・コン・ザイン会長は、次のように語りました。
(テープ)
「国際市場に出るということは、製品だけでなく、国家の信用、そして新世代の実業家としての統合の思考を携えることです。輸出とは単なる販売ではなく、実力をもってグローバル・サプライチェーンに参加することだと、当初から考えてきました。」
Fomex Globalは、ヨーロッパ、アジア、南北アメリカの約30か国に輸出しています。 |
フォメックス・グローバルが世界市場で地位を築くまでには、FSC=持続可能な森林管理認証の取得に向けた幾夜もの研究、そして厳格なホルムアルデヒド排出基準への対応がありました。
統合とは、透明性と環境責任が最も強力な“通行証”となる、グローバルな価値体系への参加を意味します。グエン・コン・ザイン氏は次のように述べました。
(テープ)
「“メイド・イン・ベトナム”を、単なる原産地表示ではなく、国際基準であり、長期的な信頼にしたいです。そのための独自のブランドを築きたいのです。ベトナム企業は、品質、信用、そして持続可能な思考によって、世界に出ていけると信じています。」
フォメックス・グローバルの成功は、内なる力と決意によって統合を進め、世界経済の地図にベトナムの価値を刻む企業の姿を、鮮やかに物語っています。
世界を見る民族のまなざしの変化
都市のバスにおけるテクノロジーの「タッチ」から、フォメックス・グローバル社の製品が海を越えていく姿まで、 統合は今や、経済の血流の隅々にまで行き渡る、躍動的なリズムとなっています。 その力を引き出しているのは、民族全体の思考の変化です。このテーマについて理解を深めるため、ベトナムの声放送局の記者が、歴史学者のブー・ミン・ザン教授にお話を伺いました。
ザン教授 |
記者: 新たな産業革命とグローバル統合の時代において、ベトナムが飛躍するために持っている「武器」とは何でしょうか。
ザン教授:「現在、ベトナムは、独立・自主の外交路線を堅持しつつ、超大国に依存せず、かといって自らを閉ざすこともない国として、国際社会から高く評価されています。最大の特徴は、柔軟な対応です。自国にとっての利点を最大限に引き出すと同時に自らの強みを徹底的に発揮するということです。「持てるものすべてを競争優位に変える」という考え方は、非常に現実的で効果的です。例えば、ベトナムは資源大国ではありませんが、極めて重要な地政学的優位性を有しています。そして何よりも重要なのが、人です。ベトナム人は、驚くほどの忍耐力、強い意志、そして柔軟な適応力を備えています。この高い柔軟性と優れた受容力は、現代の科学技術の流れ、世界の発展方向と見事に合致しています。現在の視点を維持できれば、近い将来、ベトナムは国際社会で極めて特別な地位を占めると、私たちは確信しています。」
記者:今後の国の未来について、教授はどのような期待をお持ちでしょうか。
ザン教授:「私たちの現在の願いは明確です。それは「強国と肩を並べる」ことです。この思いは一般市民から国の指導者に至るまで、ベトナム人の心の中に深く根付いています。より包括的な統合を進め、国際社会の中で確かな位置を占めたい――それが共通の意識です。これは、いわば「国運が巡ってきた」とも言える状況でしょう。丙午の年、ベトナムは馬のように非常に速いスピードで発展すると考えています。試練は決して小さくありませんが、ベトナム人は困難に直面したとき、見事に乗り越え、力強く成長してきました。第14回党大会後、私たちはまさにそのような発展の局面に立っているのだと思います」
記者:統合は国に利益をもたらし、国際社会におけるベトナムの地位を高めます。では逆に、統合を進める中で、ベトナムは世界にどのような貢献ができるのでしょうか。
ザン教授:「ベトナムは、二つの価値を象徴する国だと言えます。一つは『人間的価値』、もう一つは『平和』です。 戦争の甚大な喪失を深く経験してきた民族だからこそ、ベトナム人が語る平和には、特別な重みがあります。世界は、ベトナムを平和を愛し、平和を築く国として見ています。これこそが、私たちが世界に貢献できる最大のものです。そしてもう一つは、人間的価値で、村落文化に根差した『人を思いやる心』です。この価値こそ、いま世界が最も必要としているものだと思います。
記者:貴重なお話をありがとうございました。
「受け入れ」から「創造」へ新たな立場、新たな姿勢
ベトナムが世界と統合していく中で携えているのは、国の発展への渇望だけではありません。人類社会への奉仕という姿勢もまた、その一部です。
真の統合とは、世界が直面する共通の課題を、ともに担うことでもあります。
第14回党大会の閉幕後に行われた記者会見は、一つの成功した大会を締めくくる出来事だけでなく、新たな時代におけるベトナム外交のメッセージを国際社会に発信する機会となりました。
ト-・ラム書記長 |
この場で、トー・ラム書記長は、ベトナムの立ち位置を明確に示しました。
それは、世界的課題の解決に積極的に参加する国としての姿勢です。
紛争、自然災害、感染症など、不安定さを増す国際情勢の中で、「どれほど強大な国であっても、一国だけで大きな課題を解決することはできない」
という書記長の発言は、ベトナムがもはや世界の問題を傍観する立場にはないことを示すものです。
ト-・ラム書記長(中央)が第14回党大会の結果を発表する記者会見を主宰 (写真:VGP) |
40年にわたるドイモイ(刷新)事業によって築かれた信頼と実績をもって、ベトナムは国際社会の課題解決に参加していくのです。
(テープ)
「私たちは、世界政治、経済、人類文明へのより深い統合を進めることを基本方針としています。ベトナムは、国連の責任ある一員です。国家の大小を問わず、気候変動、自然災害、感染症、非伝統的安全保障、食料安全保障、サイバーセキュリティ、戦争や紛争といった国境を越える課題に対し、共通の責任があります。いかなる国も、単独で地球規模の問題を解決することはできず、国際協力と国際的連携が不可欠です。」
40年間にわたるドイモイ事業を経て、ベトナムは、地域および世界の課題に参画できる信頼と責任を備えました。
国際安全保障の分野では、平和構築、PKO活動、人道支援、災害救援、人道危機への対応、さらには平和の創造にも積極的に関与しています。
発展の分野においても、ベトナムは刷新の成果と経験を共有し、世界規模での貧困削減に貢献するとともに、持続可能な開発目標の達成、気候変動への対応、グリーン転換、デジタル転換への取り組みを継続しています。
(テープ)
「国際統合は、国家発展の重要な原動力です。平和と発展を実現するには、他国と協力しなければなりません。私たちは、『受け入れ』から『貢献』へ、『部分的統合』から『完全な統合』への転換を掲げています。
かつての困難と戦争の中で、国際社会の支援を受けてきましたが、いまやベトナムは、平和構築に参画し、刷新の経験を共有し、多国間制度とともに世界的な人道危機に対処できるようになっています」
国際統合は、もはや外交だけの物語ではありません。それは、民族の誇りの物語でもあります。ベトナムは、孤立するのではなく、独自のアイデンティティをもって人類の流れに溶け込みながら、「力強く飛躍する」準備ができています。
トー・ラム書記長が「傍観者ではない」と明言したその時、ベトナムは「受け入れ」から「貢献」へと、確かに歩みを進めました。
2026~2028年の任期における国連人権理事会入りを支持した180票、そしてグリーン転換における成果への国際的評価は、人類共通の使命をともに担う信頼できるパートナーとしてのベトナムの地位を明確に示しています。
(テープ)
「これは、人権保障を柱とする国連の共通課題へのベトナムの積極的な貢献に対する国際社会の評価の結果です。ベトナムは、人権の保障はまず国家が自国民に対して負う責任である、という一貫したアプローチを堅持しています。」
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「ベトナムは、サイバーセキュリティの課題に対処する能力と権限を持つだけでなく、国際社会において尊重され、存在感を増し続けている国です。」
新しい年に入り、ベトナムは新たな発展段階に入っています。ベトナムは、平和を愛し、地球規模の課題解決に、より多く貢献したいと願う国として、新たな姿勢で国際統合の歩みを続けていきます。