北部のバクザン省にあるドンタム村は、国の新農村作りプログラムを試験的に行う3つの村の一つに選ばれました。このプログラムが始まって、1年経った今、ドンタム村は大きく生まれ変わりました。幹線道路が整備され、住民の生活水準が改善されてきたほか、農業や畜産業が効果的に行われています。
整備前の村の道路は狭く、凹凸(おうとつ)の激しい、でこぼこ道でした。今は、幹線道路が拡張され、アスファルト舗装されました。道路の拡張のため、村の200世帯は2・5ヘクタールあまりの土地を無料で提供し、隣接するタンソイ村の7世帯は、およそ4千平方メートルを提供しました。およそ1千平方メートルを寄付したグエン・バン・タインさんは次のように話しています。
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「うちは5千平方メートルの土地を所有していますが、このうち1千平方メートルを提供しました。官民協力の形で幹線道路の整備が行われ、交通の便が良くなっています。私たちはこのプログラムに積極的に参加することで、農村地区の変化と住民の生活改善を願っています。」
2012年、ドンタム村の人民委員会は、新農村づくりプログラムの生産、文化、政治、社会秩序などに関する基準の達成を目指し、経済面での持続的な発展を目標に掲げました。
村の指導者は、新農村づくりには、まず住民の収入を向上させる必要があることを認識し、養鶏業を中心にその方針を定めました。これによって、ドンタム村の養鶏は一定の水準に従って行われ、安定した発展を見せています。数万羽の規模となっています。ドンタム村に住むグエン・ラム・チュンさんは次のように話しました。
(テープ)
「去年の上半期、うちは6千羽以上を飼育しましたが、去年の2月に2千羽を売って、2800万ベトナムドン(日本円でおよそ11万2千円)の収益をあげました。下半期には、2億2千万ドン(日本円でおよそ88万円)の収益でした。」
もともと、ドンタム村は、イエンテー県のイエンテー農場でした。その農場が、3年前に、行政単位の村となりました。このことは、ドンタム村の新農村作りに有利な条件となっています。2012年初めに新農村作りプログラムが始まった当時、ドンタム村は19の基準の中で、8つの基準を達成しましたが、今は11の基準を満たしています。
ただ、村の幹部レベルの業務能力や知的水準が高くないことや、住民の大部分は農業従事者で、資金調達が難しいなど、多くの問題も抱えています。貧困世帯の割合の引き下げや労働力の構成に関する基準の達成は難航するとみられます。こうした事情を踏まえて、イエンテー県とドンタム村は投資の誘致を積極的に進め、雇用創出の促進を目指しています。イエン・テー県人民委員会のリュー・スアン・ブオン委員長は、次のように話しました。
(テープ)
「実情を見極めたうえで、差し迫った問題の解決策を提案します。労働力を農業から非農業分野に転出させるためには、工業団地を建設することにしました。また、県レベルの解決策として、工業への投資の誘致を促進すると同時に、農民に職業訓練を行っています。」
行政が、農業や畜産業の発展と収入の向上に向けて、安定した仕事の斡旋に取り組み、住民もこれにすすんで参加しています。こういったことから、ドンタム村は早い時期に新農村作りプログラムの19の基準を達成できるのではないかと期待されています。