8年前の2006年11月7日、ベトナムはWTO世界貿易機関に加盟し、翌年の1月11日、正式メンバーとなりました。WTOへの加盟により、ベトナムの製品とサービスは世界のGDP国内総生産の97%を占めるWTO加盟160カ国への進出に大きなチャンスを切り開きました。WTOへ加盟した8年後、ベトナム経済は全面的に発展してきました。
ベトナム政府の国際貿易交渉団の団長を務めている商工省のチャン・コク・カイン次官によりますと、WTOへ加盟してから、ベトナムは市場の開放、透明性の向上、法的枠組みの完備、国内外の投資家に対する平等な経営環境の整備などに関するWTOとの公約を厳格に履行してきました。これと同時に、国外市場への進出可能性も向上されています。WTOへ加盟した最初の年である2007年におけるベトナムの輸出入総額は前年と比べて31,3%増となり、2013年の輸出総額は1320億ドルに達し、前年と比べて15,4%増となりました。WTO加盟諸国はWTOの基準に見合うためベトナムが実施している経済改革を高く評価しています。商工省のチャン・コク・カイン次官は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムは長年にわたり、高い経済成長率を維持すると共に、貧困率の削減にも大きな成果を収めてきました。ベトナムは世界経済への参入に対する決意を固めている上で、ダイナミックな経済がある国となっています」
近年、ベトナムの経済成長率は年平均7,3%増となるなど、国民一人当たりの年収は4倍増となりました。2013年のインフレ率は6%~7%に削減されました。ベトナムはアセアン=東南アジア諸国連合を始め、地域と世界各国の重要な経済相手となっています。
WTOとの公約の履行により、ベトナム経済改革は前向きな成果を収めました。ベトナム商工会議所のブー・ティン・ロック会頭は「経済体制の改革はWTOへの加盟により得られる利益の活用に優先課題である」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「グェン・タン・ズン首相は経済体制の改革をベトナムの第一の課題と見なすと共に、これを経済成長の原動力と位置づけました。経済体制の改革はWTOを始め、TPP環太平洋経済連携協定、ベトナムとEU欧州連合との自由貿易協定などの利益を活用することに重要な意義を持っています」
しかし、WTOへの加盟はベトナム農業にマイナス影響を与えます。その他、近年、ベトナムの輸出入のバランスにも多くの問題点が浮上しています。WTOのパスカル・ラミー元事務局長は「WTO加盟後によるリスクの制限と経済発展のため、輸出業者を始め、ベトナム企業は安定した付加価値がある製品の生産を重視する必要がある」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムは長期的な競争の強みを活用する必要があります。その他、ベトナムは輸出の付加価値が高い製品を生産しなければなりません」
現在、ベトナム政府はベトナム企業が国際市場における競争力の向上のための輸出政策を作成しました。貿易の自由化を促進しながら、WTOへの加盟がもたらすマイナス点を制限するための政策はベトナムの世界経済への参入に有利な条件を作り出しています。