イギリスの総選挙


7日、イギリスの総選挙の投票が行われ、現在、同国の各政党は激しい選挙戦を展開しています。しかし、今回の選挙は情勢が複雑に推移しており、最後の結果を予断しにくい状態です。


イギリスの総選挙 - ảnh 1
キャメロン首相とミリバンド労働党党首(写真:Baotintuc)

最新の世論調査では、キャメロン首相の与党・保守党も野党の労働党も過半数に届かない情勢です。一方、SNP=スコットランド民族党が第3位に躍進するもようで、選挙後は情勢が不透明となっています。


二大政党制の国

イギリスは元々、「二大政党制の国」と言われ、保守党と労働党のどちらかが過半数を制して政府を作りました。今年も例外ではありません。イギリスの新聞「サン」が5日に報じた同国の世論調査会社「YouGov」の調査結果によりますと、キャメロン首相率いる与党・保守党と野党・労働党の支持率が34%で拮抗しています。

両党はそろって、4日の調査から1%ポイント支持を伸ばしました。年初以降、大半の世論調査で両党は互角の争いを繰り広げています。いずれの党も通常プラスマイナス3%ポイントとされる誤差を超えて差を広げたことはありません。

また、これまでの世論調査によりますと、いずれの党も下院の定数650議席の過半数を獲得する公算は小さいとみられています。


激しい争い

両党とも、270〜290議席程度で第1党の地位を激しく争っています。保守党のキャメロン首相は景気回復の実績をアピールしますが、過去5年間に進めた財政緊縮策が不人気で、現有の302の議席から議席を減らす公算が大きいです。

一方の労働党は、貧富の格差是正を掲げて保守党と激しく競り合っています。だが、前回の総選挙で41議席を獲得したスコットランドで、SNPに議席のほとんどを奪われる見込みです。このため、小差で第2党になるとの予想が多いです。

アナリストらは「こうした接戦が伝えられる中、選挙後のシナリオも複雑だ」と予測しています。具体的には、シナリオは大きく分けて3通りあります。一つは、保守党か労働党が単独で過半数を獲得して政権を樹立するケースですが、今回は実現しそうにありません。

第2のシナリオは、複数の政党による連立政権です。一方、躍進が予想されるSNPのスタージョン党首は「保守党政権を終わらせるために各党と協力する」と語り、保守党と組む可能性は皆無です。労働党のミリバンド党首は、独立を志向するSNPとの連立を明確に否定しており、SNPが連立に加わる可能性も低いとしています。

さらに、アナリストらは「どちらの政党が第1党となっても、小政党を加えた選挙後の連立政権樹立への作業は難航が必至だ」との見解を示しています。

 

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