地球温暖化対策の新たな国際的枠組み「パリ協定」の実施に向けたルール作りなどを話し合うCOP22=国連の気候変動枠組条約第22回締約国会議がモロッコで始まりました。この会議は地球温暖化対策事業にとって非常に重要な役割を持つとされています。
(写真:AFP/VNA)
7日からモロッコ・マラケシュで始まったCOP22には、およそ200の国と地域が参加し、途上国を含む全ての国に温室効果ガス削減の取り組みを義務づけるCOP21で採択された「パリ協定」の実施に向けたルール作りなどについて話し合われる予定です。
気候変動対応のための法的基礎となった「パリ協定」
「パリ協定」は「産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑え、1.5度未満になるよう努力する。また、今世紀後半に排出と吸収をバランスさせることを目指す」としていて、アメリカや、中国、EUなどの批准によって総排出量55%といった条件を満たして今月4日に発効されました。
協定は、すべての国が自主的な温室効果ガス排出削減目標を掲げて実行することを求めています。また、2020年までに先進国が途上国に年間1千億ドルの資金を支援する目標が掲げられています。これまで、100の国と地域はこの協定を批准しています。
注目すべきのは、温室効果ガス排出量が最も高い中国とアメリカも今年9月に「パリ協定」の批准に関する文書を出したことです。しかし、問題なのは各国が自国の公約をどのように履行するのかということが指摘されています。
公約から行動へ
開会式で、条約事務局のパトリシア・エスピノサ事務局長は「パリ協定の早期発効は喜ばしいことだが、温室効果ガスを早く減少に転じさせなければならない」と述べ、結束を呼びかけました。
一方、議長国のモロッコは今回の会議を、脱炭素社会に向けて動きを具体化させる「行動のCOP」と呼びました。会議では、目標の達成状況の評価のあり方などを検討し、こうしたルール作りをいつまでに終えるかなどスケジュールについても話し合うということです。
特に、世界気象機関は8日、「2011~2015年の世界の平均気温が観測史上最高になり、昨年は産業革命前の平均からの気温上昇が初めて1度を超えた」と発表しました。地球温暖化対策の新たなルール「パリ協定」では気温上昇を2度未満、できれば1・5度未満に抑えることを目指していますが、余裕がなくなりつつあります。
こうした中、世論は、「気候変動は死活問題となっており、解決するためには全世界の決意を努力を求める」と指摘して上で、「パリ協定は効果的手段であり、これを実現するために各国は協調しなければならない」と訴えています。