ベトナムの人権実現への努力は否定できない

(VOVWORLD) - ベトナム代表団が今月7日から8日にかけて、スイス・ジュネーブで開催された国連人権委員会との対話を終了しました。この対話は、市民的及び政治的権利に関する国際規約、いわゆるICCPRの実施状況について話し合われたもので、ベトナムの人権保障への取り組みが国際的に評価される結果となりました。

ICCPRは1966年に国連総会で採択された人権分野の重要な国際条約で、1976年に発効しました。ベトナムは43年前の1982年にこの規約に加盟し、これまで人権関連の国際条約における約束と義務を真摯に履行してきました。

ベトナムの人権実現への努力は否定できない - ảnh 1対話の様子

「人間中心」の開発理念を強調

今回の対話でベトナム代表団が強調したのは、「人間を中心に据えた発展」というベトナムの一貫した理念です。この理念は国家目標であると同時に、発展の原動力として位置づけられています。
国連人権委員会は、ベトナムが達成した進歩を高く評価しました。具体的には、人権に関する9つの中核的国際条約のうち7つを批准していること、差別防止制度の整備、家庭内暴力問題への取り組み、男女平等の推進、汚職防止などが評価されました。
対話後の記者会見でベトナム代表団を率いる司法省のグエン・タイン・ティン次官は、ベトナムの行政改革について次のように述べています。
(テープ)

「ベトナムでは党と国家のあらゆる活動は、人民を中心としています。特に注目していただきたいのは、ベトナムが進めている行政機構の簡素化革命です。具体的には、中間レベルと県レベルを廃止し、各省庁の機構を簡素化して2層制政府を組織しています。さらに、ベトナムでは基層への権限移譲を強力に推進しています。これは2つの目的があります。一つは人民により良いサービスを提供すること、もう一つは国家機関をより効率的で効果的にすることです。これらの取り組みは、実は国連人権委員会からの勧告を実行するステップでもあります。国連人権委員会は、ベトナムが法執行を強化し、法制定と法執行の間の格差を縮小する必要があると勧告しました」

ベトナムの人権実現への努力は否定できない - ảnh 2ベトナム代表団

課題と今後の展望

一方で、グエン・タイン・ティン次官は課題も認めています。各地域間での人権に対する認識の違いや、法制度が新しい要求に追いつかない場合があることなどです。
しかし、ベトナムには強力な政治的コミットメントと、人権を発展プロセス全体の目標とする一貫した観点があります。法制度も日々整備され、多くの法律が修正・新規制定されてICCPRの規定を国内法化し、市民的・政治的権利保護の効果向上に貢献しています。
ティン次官は、この対話後、司法省がICCPR規約と人権委員会の勧告を効果的に実施するための国家行動計画を策定し、首相に提案すると発表しました。
この計画では、人権に関する党の基本方針について幹部陣の認識と責任の向上に焦点を当てます。すべての方針と政策は人間を中心とし、人民の生活、権利、正当な利益を出発点とするということです。
今後、ベトナムが加盟している人権に関する国際条約を完全に国内法化し、民主的で公正、アクセスしやすい法制度の保障を目指していくとしています。

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