UNDPの報告書を公表する記者会見

ベトナムは「国民のための、国民による、国民のための国家」建設を進め、人権尊重の政策をあらゆる発展戦略に組み込んでいるのが特徴です。

数字で見るベトナムの人間開発

2023年のベトナムのHDI値は0.766に達しました。世界193カ国中93位、東南アジア地域では5位となり、前年より14ランクも上昇しました。UNDPベトナム事務所所長のアシスタントを務めるドー・レー・トゥ・ゴック氏は次のように評価しています。

（テープ）

「1990年から現在まで、ベトナムのHDIは大幅に向上しています。これは政府の一貫した取り組みの成果です。世界各国が人間開発の推進に苦戦する中、ベトナム政府の政策は積極的な成果をもたらしています」

1990年～2023年のベトナムのＨＤＩ

また、2025年世界幸福度報告書でも、ベトナムは46位と前年より8ランク上昇しました。国民生活の質が着実に向上していることを示しています。

約40年前に始まったドイモイ（刷新）政策のもと、ベトナムは多くの社会経済プログラムを実施してきました。その成果は具体的な数字となって表れています。

2024年の様々な側面から測定した貧困率（多次元貧困率）は4.06％で、前年より1.65％減少しました。国民健康保険の普及率は94.1％に達し、国民の健康状態と平均寿命も改善が続いています。ベトナムは現在、中所得国グループの一員となっています。

さらに、国連のミレニアム開発目標の多くを期限前に達成し、「すべての人への十分な食料確保」「すべての子どもの小学校教育修了」「男女間の機会均等」などの目標を実現しています。

未来を見据えた大胆な政策

ベトナムは今後も「人間中心」の理念のもと、さらに大胆な政策を打ち出す予定です。

特に注目されるのは、来年度から実施される大規模な教育支援策です。2025-2026学年度から全国約230万人の学生に対し、幼稚園から公立高校まで完全無償化が実現します。グエン・キム・ソン教育訓練大臣は次のように語りました。

ソン教育訓練大臣

（テープ）

「これは非常に大きな決断であり、教育分野だけでなく社会全体に影響を与えるものです。教育の公平性を実現し、教育の普及を一層促進するでしょう。この政策は、教育分野が継続的に革新し、質を向上させていくための重要な土台となります」

教育に続き、医療分野でも革新的な取り組みが計画されています。トー・ラム書記長は2030-2035年までに国民全体の医療費免除を目指す方針を示し、段階的な医療費負担軽減のロードマップを検討し始めています。この計画についてハノイ女性知識人協会のブイ・ティ・アン会長は次のように語りました。

（テープ）

「この方針はベトナム共産党の社会保障重視、国民中心主義を具現化するものです。『誰一人取り残さない』理念の実践であり、すべてのベトナム国民が福祉を享受する権利を明確に示しています」

ベトナムの政策や発展戦略はすべて、国民のニーズに応え、市民の権利を守り、誰もが発展プロセスに参加できる環境を整えることを目指して策定されています。これにより、国の総合的な発展と人間の包括的な成長の両面で、着実な前進が実現しています。