ベトナム、人身売買防止に強い決意

(VOVWORLD) -ベトナム公安省のデータでは、今年前半で、50件の人身売買事件が摘発され、126人の被害者が確認されました。そのうち、121人の被害者が子どもでした。

人身売買は、国連が定める世界で最も危険な犯罪の一つです。ベトナム政府は、人身売買、特に子どもの売買を防止するために様々な対策を講じ、懸命な努力を重ねてきました。

国連薬物犯罪事務所の最新の世界人身売買報告書によりますと、世界中で人身売買被害者3人のうち1人が子どもです。ベトナム公安省のデータでは、今年前半で、50件の人身売買事件が摘発され、126人の被害者が確認されました。そのうち、121人の被害者が子どもでした。

政策から実践まで一貫した取り組み

ベトナムの党と国会は、「被害者中心」の原則に基づき、人身売買被害者、特に女性と子どもの権利保護に常に注意を払い、尽力してきました。法制度と政策は、この一貫した姿勢を明確に示し、被害者の人権保護に向けて、ますます充実したものとなっています。

2011年に人身売買防止対策法が施行され、人身売買防止のための最高レベルの法的基盤が整いました。その後、政府の政令により、被害者保護のための法的枠組みが整備されました。これには、基本的なニーズや交通費の支援、医療支援、心理的支援、法的支援、文化・職業訓練支援、初期困難手当、融資支援などが含まれています。

政府は2005年以来5年ごとに人身売買防止対策に関する国家行動計画を策定しており、現在第4次計画が進行中です。最近では、人身売買防止対策法改正案が第15期国会第7回会議で議論されました。

国際移住機関(IOM) ベトナム事務所代表のPark Mihyung氏は次のように語りました。

(テープ)

「この重大な犯罪との闘いにおけるベトナムの努力は評価されるべきです。2011年の人身売買防止対策法の改正はベトナムにとって重要な節目となり、改正法は人身売買問題に取り組むためのより強固な基盤を確立すると期待されます」

法制度の整備に加えて、ベトナムは多くの実践的な活動も推進しています。ベトナム女性連合会のハー・ティ・ガ会長は、子どもの虐待、暴力、売買に関する事件解決への参加が関係機関と緊密に協力して行われ、事件の迅速かつ厳正な処理に貢献していると述べています。女性と子どもの安全に関する効果的なモデルが研究・開発され、拡大されています。例えば、ベトナム女性連合会中央委員会が運営する「平和の家」というモデルがあります。2007年の設立以来、「平和の家」は159人の子どもを含む463人の人身売買被害者を一時的に受け入れています。

ガ会長は次のように語りました。

(テープ)

「ベトナム女性連合会は、人身売買防止活動の質と効果を高めるため、公安省をはじめとする関連省庁、各地方、そして国際組織との連携を一層強化していきます。特に力を入れているのが、女性会員や一般市民向けの啓発活動です。安全なソーシャルメディアの使用方法を広く周知することで、人身売買や子どもの売買、さらにはサイバー犯罪のリスク軽減に貢献したいと考えています。また、暴力や人身売買の被害に遭い、帰った方々への支援も重要な課題です。被害者の80%以上が、少なくとも一つの社会支援サービスを利用できるようにすることを目標に掲げ、その実現に向けて尽力していきます」

人身売買防止における国際協力の促進

国内の各部門の努力と並行して、ベトナム政府は人身売買防止に関する国際協力も積極的に推進しています。ベトナムは多くの国々と犯罪防止に関する司法共助協定を締結しており、そのすべてに人身売買防止の内容が含まれています。

人身売買防止に関する国際的な勧告がベトナムで慎重に検討され、多くの勧告内容が2021年~2025年までの人身売買防止プログラムおよび2030年までの方向性に組み込まれています。特に最近では、ベトナムの関係機関が被害者の確認と保護において外国当局との協力を強化しています。

アメリカ国務省の2024年世界人身売買報告書は、ベトナムの取り組みを肯定的に評価しています。特に、法改正や人身売買事件の捜査・起訴・裁判の強化が注目されています。

ベトナムはまた、国連の「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」の目標達成に向けて努力しており、国際的な移住活動における人身売買のリスク防止に貢献しています。

ベトナムは、国連の「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」の目標達成にも取り組んでいます。これらの努力は、国際条約履行へのコミットメントを示すとともに、弱者、特に子どもを保護するための強力な法制度構築の重要性に対する認識を反映しています。

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