2025年「ベトナム高齢者のための行動月間」スタートセレモニーで、主催者は、上寿を迎えた高齢者10名に記念品を贈呈した。

2025年「高齢者のための行動月間」が、10月を通してベトナム全国で多くの意義ある活動をもって展開されています。ベトナムでは、高齢者は、持続可能で、豊かで、繁栄し、幸福な発展の時代へとベトナム民族を導く一助となり、かけがえのない国内資源の一部を構成しています。

国家住民データによりますと、現在ベトナムには高齢者の数は約1610万人であり、人口の16％を占めています。そのうち、約100万人が居住地での社会的活動に積極的に参加し、約900万人が労働、生産、経営に従事しています。多くの高齢者は、党および国家から「刷新時期における労働英雄」という称号を授与されています。これは、「新時代におけるベトナムのシルバー経済」を形成するための重要な前提となっています。

高齢者は民族の貴重な財産

1941年に発せられた全ての高齢者を団結させるための呼びかけの中で、ホー・チ・ミン主席は次のように明確に述べました。「国家の隆盛は高齢者が築き、国家の存続は高齢者の助力による。国家が失われたら、高齢者が救い、国家が衰退した場合は、高齢者が支える」ということです。

第7期ベトナム共産党書記局が1995年9月27日に発布した指示第59号は、高齢者が民族の貴重な財産であり、豊富な経験を持つ勢力であり、家族と社会において重要な役割を果たすことを明確に示しました。

さらに、2024年6月に開催されたベトナム高齢者幹部との懇親会で、トー・ラム党書記長（当時、国家主席）は、高齢者が国家の貴重な財産であると確認し、次のように述べました。
(テープ)
「あらゆる歴史的時代において、ベトナムの高齢者は常に国家の柱としての名にふさわしく、社会のために身を捧げ、民族の自立、自力、自強、永続の精神を灯し続けた不滅の灯火です。今日のベトナムが輝かしい礎、高い国際的地位を持てるようになったのは、ベトナムの高齢者による重要な貢献なくしては語れません」

現在、ベトナムでは、多くの高齢者が引き続き労働生産、科学研究、企業経営、あるいは伝統工芸の伝授などに参加しており、年齢が貢献の価値を低下させるのではなく、むしろ彼らのかけがえのない役割を裏付けていることはその証となっています。70歳や80歳になっても、高齢者が教室を開いたり、文化芸術活動を維持したり、学術奨励に参加したり、専門アドバイザーの役割を果たしたり、伝統工芸村の運営を続けたりするなど、多くの事例が見られます。

その一例を挙げますと、ハノイ市カウザイ区には、65歳から85歳までの高齢者を対象とした特別な「デジタルトランスフォーメーション（DX）と人工知能（AI）」のクラスがあります。このクラスは、報道宣伝学院の元放送・テレビ学部副部長で退職したディン・ゴック・ソン氏が担当しています。

ソン氏は次のように明らかにしました。
(テープ)
「AIやDXを含む多くの学習ツールがあるから、この教室は、コミュニティ、特に高齢者に、学習を続けようというインスピレーションを与えることを目的としています。将来的には、高齢者がテクノロジーを使用することにもっと自信を持ち、DXの価値が単なる理論に留まらず、高齢者の生活に入り込むことができるように支援したいと考えています」

新時代における高齢者の役割の普及

近年、ベトナムは高齢者に対する医療、保険、社会福祉に関する多くの政策を新しいアプローチで発行してきました。高齢者を、経済社会発展、伝統文化の保存と開発に貢献する重要な資源として位置づけています。

経済社会開発における高齢者の役割、経験、知恵をさらに発揮させるため、2025年2月20日、ファム・ミン・チン首相は「高齢者によるデジタルトランスフォーメーション、グリーン転換、起業、および雇用創出の推進」というプロジェクトを承認しました。このプロジェクトは、高齢者の潜在能力を発揮させる上で重要な一歩であるだけでなく、DXと環境保護の背景における国の持続可能な発展にも貢献します。現在の高齢化の傾向における、高齢者のための起業は、社会保障を確保し、高齢者が引き続き貢献し、楽しく健康に暮らせるようにするための解決策の一つであるとされています。

今年の「高齢者のための行動月間」では、全国の各級高齢者協会は、様々なスポーツ・文化活動や、健康診断、カウンセリング、高齢者の法的権利を保護するための助言や法的支援などを行うことになっています。
実際に、関心を持たれ、条件が整えば、高齢者はコミュニティと国に貢献し続けることが示されています。高齢者の貴重な経験が発揮されれば、国が持続的に発展するための大きなリソースとなるでしょう。