NATO首脳会議をめぐる問題

(VOVWORLD) -先週、リトアニアの首都ビリニュスで、NATO=北大西洋条約機構首脳会議は2日間の議事日程を終え、閉幕しました。
NATO首脳会議をめぐる問題 - ảnh 1NATO首脳会議(写真:AFP/TTXVN)

ロシアとウクライナの軍事衝突が続くなか、ウクライナの将来のNATO加盟に向けて、より強いメッセージを打ち出せるかや、NATO加盟国のトルコが北欧スウェーデンの加盟を認める姿勢に転じる内容などが焦点となりました。

NATOの首脳会議は11日から2日間の日程でバルト三国のリトアニアで行なわれ、加盟国の首脳ら40人を含む合わせて2400人あまりが出席しました。会議では、冷戦終結後、初めてとなる大幅な地域防衛計画の見直しを承認しました。新たな計画では、昨年の首脳会議で合意した30万人規模の即応部隊を軸に欧州東部の防衛体制を増強するとしています。

また、加盟国の防衛費については、国内総生産(GDP)比2%が目標と定められていましたが、これを「最低2%」に引き上げることも決めました。スウェーデンのNATO加盟について、ルコのエルドアン大統領は12日、リトアニア・ビリニュスで記者会見し、スウェーデンのNATO加盟のトルコ議会による批准は10月以降との見通しを示しました。

今回の首脳会議で最大の焦点となっていたウクライナの加盟について、NATO加盟国は、一部の手続きを簡略化することで合意したものの、加盟手続きの開始は見送り、今後の具体的な見通しも示しませんでした。一方で、ウクライナが加盟が実現するまで必要だとして求めてきた「安全の保証」に対しては、首脳会議に合わせてG7の各国が共同宣言を発表し、将来のロシアとの軍事衝突を抑止することができるような持続可能な軍事力を確保することなどウクライナを守るため長期的な支援を行う方針を表明しました。

こうした中で、ロシア外務省は今回のNATO首脳会議について、「NATOが冷戦時代のやり方に後戻りしたことの表れだ」と批判しました。そのうえで、「ロシアの安全と利益に対する挑戦や脅威を考慮し、あらゆる手段を使って対応する。軍と防衛体制を引き続き強化する」として、対抗していく姿勢を示しています。

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