世界の成長率に対するOECD予測

(VOVWORLD) -先ほど、OECD=経済協力開発機構は発表した経済見通しで2024年の世界の成長率を3.1%、25年は3.2%と予測しました。

いずれも2月時点から0.2ポイント引き上げました。各国でインフレが落ち着き、アメリカを中心に世界経済は底堅く推移すると評価しました。

OECDの最新の経済見通し(OECDエコノミック・アウトルック)によりますと、世界経済は引き続き緩やかなペースで成長しています。世界全体のGDP成長率については、2024年は堅調さが維持されて2023年と同じ3.1%となり、また2025年は僅かに上昇し3.2%になると同見通しでは予測されています。

地政学的リスクや中東情勢の緊張が続く中、インフレ率が「予想よりも早く鈍化している」という状況を踏まえ、前回の2月の予測から0.2ポイント引き上げました。また、2025年についても0.2ポイント上方修正し、3.2%との見通しを示しました。OECDは、アメリカが世界経済をけん引すると指摘しました。

アメリカのGDP成長率は2024年に2.6%になる一方で、2025年には高水準の借入コストと内需の鈍化に対応する形で1.8%に減速すると予測されています。2023年第4四半期に停滞したユーロ圏は、実質家計所得の回復や逼迫した労働市場、政策金利の低下に支えられ、緩やかに回復するでしょう。2024年及び2025年のユーロ圏のGDP成長率はそれぞれ0.7%、1.5%になると予測されています。

中国については、中国経済は1〜3月が堅調に推移し、24年全体で4.9%成長が確保できるとみています。不動産市況は引き続き懸念材料だが、目先は財政出動やインフラ投資、外需の拡大が追い風になります。

今後のリスク要因として、中東情勢などの地政学的要因や、新興国と先進国の金利差の縮小に注意すべきだとしました。

これまで米欧などに比べて高金利だった新興国が金融緩和を進めて金利差が縮小すれば、投資マネーの流出や通貨安を引き起こす恐れがあるためです。外貨建ての債務を多く抱える国は返済負担が膨らむことになります。

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