米、オープンスカイ条約から正式に脱退

(VOVWORLD) -  トランプ米政権は今年5月、ロシアがバルト海沿岸の軍事拠点やジョージアの国境周辺で偵察機の飛行を制限するなど、条約違反を繰り返しているとして、離脱を表明しました。

トランプ米政権は先週、欧米とロシアなどとの間で偵察機による相互監視を認めたオープンスカイ(領空開放)条約を脱退しました。国務省が発表しました。

オープンスカイズ条約とは、アメリカとNATO諸国、ロシアと東欧諸国との間で1992年に調印され、2002年に発効した、軍事的透明性と軍備管理検査を保障する条約です。契約国は全部で34カ国となります。

条約の下では、締約国は理解と信頼を促進するために、互いの領土に対して「非武装の空中偵察」を行うことができます。 これまでに、両当事者は1500回以上の航空偵察作戦を実施しており、アメリカとロシアはそれぞれ年間42回の相手国領土上空の航空偵察作戦を実施しています。

露外務省は22日、「条約履行の障壁を作ってきたのはアメリカ」として、アメリカ側が査察を制限する措置を取ってきたと改めて非難する声明を発表しました。条約に加盟する欧州諸国に対し、欧州内の米軍施設への監視を制限しないことやロシアの領空内で得た情報をアメリカに渡さないことへの「固い保証」を求めました。

トランプ米政権は今年5月、ロシアがバルト海沿岸の軍事拠点やジョージアの国境周辺で偵察機の飛行を制限するなど、条約違反を繰り返しているとして、離脱を表明しました。欧州諸国などは「条約は有用で機能している」とアメリカの離脱に強い懸念を示していました。

ロシアのプーチン政権が来年2月に期限を迎える新戦略兵器削減条約(新START)について、アメリカとの延長協議に慎重姿勢を見せ始めました。大統領選で当選が確実になった民主党のバイデン前副大統領は、条約延長に前向きとされます。

トランプ現政権に譲歩を重ねてまで交渉を急ぐ必然性が薄れてきたためです。専門家によりますと、トランプ大統領は、残りの任期期間を適用して、4年間で設立されていた外交対策を強化しています。

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