米、ガザ「一時停戦」決議案を安保理に提出

(VOVWORLD) -ガザ地区の情勢をめぐり、アメリカは国連安全保障理事会に即時の停戦が必要だと呼びかける決議案を提出し、採決の結果、安保理15か国のうち11か国が賛成しました。

アメリカが提出した決議案は、「すべての市民を保護し人道支援を行うために持続可能な即時の停戦が不可欠だ」と呼びかける一方、「すべての人質の解放につながる停戦の実現に向け、現在進行中の外交努力を支持する」などとしています。

昨年10月7日のハマスによるテロ攻撃に端を発した戦闘で、米国が「即時停戦」を求めたのは初めてでした。アメリカはこれまで、イスラエルの自衛権を支持し、停戦を求める決議案に拒否権を発動してきました。国内外での「民間人を巻き込むイスラエルの攻撃を擁護した」との非難の高まりを受け、停戦を求める姿勢に転じました。

国連が採決を行った22日には、カタールで人質解放についての協議が再開しました。アメリカのブリンケン国務長官もイスラエルのネタニヤフ首相と会談を行うためイスラエル入りしました。ブリンケン氏のイスラエル訪問は停戦に向けた外交努力強化の一環でした。アメリカは、これまで、イスラエルを擁護する形で停戦を求める決議案に反対してきましたが、国内外での批判の高まりを受け、今回、初めて「即時停戦」を盛り込んだ決議案を提出しました。

こうした中で、UNOSAT=国連衛星センターの衛星画像の分析によりますと、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘開始以降、パレスチナ自治区ガザで約30%の建造物が損壊した模様です。国連がこのほど、まとめた報告書は、食料不足の度合いを示す指標「総合的食料安全保障レベル分類」(IPC)に照らして、ガザ地区の人口の半数に当たる約110万人もの住民が、最も深刻な「壊滅的飢餓」(IPCフェーズ5)に陥っていると警鐘を鳴らしました。

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