G7、課税に関する合意を達成

(VOVWORLD) -先週、G7先進7カ国は、各国共通の最低法人税率を15%以上とする歴史的合意に達しました。

今後、これは世界全体の新たな法人課税ルールの土台になる可能性があります。国際課税は、各国が法人税で共通の最低税率を導入するかどうかが焦点です。国境をまたいで活動する巨大ITなどの多国籍企業に対する課税を強化するとともに、各国の法人税率引き下げ競争を回避するのが狙いです。

G7財務相会合でイエレン米財務長官は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック収束後も、自国経済の支援に向けた支出を継続するよう呼び掛けると共に、アメリカのインフレ率は今年高止まりするものの、一時的にすぎないとの見解を示しました。

また、イエレン氏は、ロンドンで開催されたG7会合後の記者会見で、各国はパンデミックで打撃を受けた経済を「再び、回復軌道に乗せた後も、気候変動や不平等問題へ対応に投資する必要がある」と述べた上で、「ほとんどの国には財政的な余地があり、回復を引き続き促進し、気候変動や包括的で持続可能な成長に関してわれわれが直面する長期的な課題に対処するため、財政政策を導入することが可能だ」と指摘しました。

そして、ドイツのオラフ・ショルツ副首相兼財務相は、「税の正義と連帯にとっては非常に良い知らせであり、タックスヘイブン(租税回避地)にとっては悪い知らせだ。企業はもはや納税義務から逃れられないだろう」と述べました。

こうした中で、新たなルールではアップル、フェイスブック、グーグルなどの巨大IT企業が影響を受けています。フェイスブックのクレッグ副社長は声明で、同社は課税ルールの改革を長年求めてきたと強調し、「G7での重要な進展を歓迎する」と述べました。グーグルとアマゾンの報道担当者も、G7の合意を支持すると表明しました。フェイスブックのニック・クレッグ氏は、今回の合意は「ビジネスに確実性をもたらし、国際的税制に対する国民の信頼を強めるための重要な第一歩」だと述べました。

G20=主要20か国・地域の財務相・中央銀行総裁会議で合意すれば、法人税の下限が設けられることから、長年続いた法人税率引き下げ競争を回避できると期待されます。新型コロナウイルス対策で各国が大規模な財政出動を続け、財源確保が課題となっていることから、法人税の最低税率導入の機運が高まっていたことが今回の合意につながったとみられます。

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