イラク反政府デモ イラン総領事館も標的に 混乱広がる

(VOVWORLD) -中東のイラクで、政治の刷新を求める大規模な反政府デモが続くなか、中部の都市では国内で影響力を強める隣国イランの総領事館がデモ隊に襲撃されるなど混乱が広がっています。

イラクでは、高い失業率やまん延する汚職などへの不満を背景に、政治の刷新を求める大規模な反政府デモが、首都バグダッドや中南部の都市で続いていて、治安部隊との衝突などによる死者の数は、先月初め以降、250人以上にのぼっています。

このうち、中部のカルバラでは3日夜に、デモ隊の一部がイラン総領事館を襲撃し、外壁の周りでタイヤを燃やしたり壁をよじ登ってイラクの国旗を振ったりしたため、制止しようとした治安部隊と衝突しました。
イラクの人権委員会によりますと、この衝突でデモ隊の3人が死亡し、12人がけがをしたということです。

イラクでは、多数派のイスラム教シーア派の勢力の内部でシーア派のイランとの距離感をめぐって路線対立があり、デモ隊の一部は国内でイランの影響力が増すことに強く反発していて、今回の総領事館の襲撃につながったものとみられます。

イラクのサレハ大統領は先月末、アブドルマハディ首相が辞任する意向だとして、選挙制度の改革を進めて早期に議会選挙を行う方針を明らかにしましたが、デモが収まる兆しは見られず、むしろ混乱が広がっています。


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