米中貿易協議 レアアースなど輸出規制めぐり10日も続く見通し
(VOVWORLD) -アメリカと中国の高官による貿易協議が9日、イギリスのロンドンで行われました。
(写真:ロイター) |
アメリカは中国によるレアアースの輸出規制をやめるよう主張する一方、中国はアメリカの関税措置や半導体などの輸出規制の撤廃などを求めていると見られ、協議は10日も行われる見通しです。
アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席の今月5日に行われた電話会談で、実施することで一致していた両国の貿易協議は9日、イギリスのロンドンで始まりました。
アメリカ側からベッセント財務長官、ラトニック商務長官、それにUSTR=アメリカ通商代表部のグリア代表が、中国側からは経済政策を統括する何立峰副首相、王文涛商務相、それに商務省で国際貿易交渉代表を務める李成鋼次官が参加しました。
アメリカと中国は先月、互いに課していた追加関税を引き下げ、90日間で協議を進めることで合意しましたが、アメリカ側は中国がその後もレアアースの輸出を遅らせているなどとして、輸出規制をやめるよう主張してきました。
また、中国はアメリカの関税措置や、半導体などの輸出規制の撤廃などを求めているとみられます。
アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは複数の関係者の話として、「トランプ大統領はベッセント財務長官らに幅広い技術関連製品の輸出規制の撤廃も交渉する権限を与えた」と伝えています。
ホワイトハウスで経済政策を助言する国家経済会議のハセット委員長は9日、アメリカのCNBCテレビに出演し、「協議によってアメリカ側の輸出規制を緩和し中国側から多くのレアアースが輸出されるようになり、より細かい点についての交渉に戻れると考えている」と述べ、進展に期待を示しています。
ロンドンでの協議は10日も続く見通しで、米中の貿易摩擦が緩和されるかが焦点です。(NHK)