米国、中国からの小口輸入品の関税を引き下げ 民間業者経由は30%に
(VOVWORLD) - アメリカでは近年、非課税扱いの貨物輸入が急増しており、90%以上がデミニミス・ルールを活用したものです。そのうち60%以上は、中国発のネット通販業者であるTemu(テム)やShein(シーイン)などによるものとされています。
アメリカのトランプ政権は12日、中国からの小口輸入品に対する関税を現在の120%から54%に引き下げると発表した(写真:TTXVN) |
アメリカのトランプ政権は12日、中国からの小口輸入品に対する関税を現在の120%から54%に引き下げると発表しました。新たな関税率は14日から適用されます。なお、一律100ドルの最低関税は維持し、6月から予定していた200ドルへの引き上げは撤回されました。
また、業界関係者によりますと、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)やフェデックス、DHLなどの民間配送業者が扱う小口輸入品についても、関税率が145%から30%に引き下げられる見通しです。
この30%という税率には、トランプ政権が発動した10%の対中相互関税と、合成麻薬フェンタニルの流入問題をめぐる20%の関税が反映されているとみられています。
今回の措置に関して、ホワイトハウスおよびアメリカ通商代表部(USTR)は現時点でコメントしていません。
トランプ政権は今月2日、中国および香港からの小口輸入品に対する関税免除措置、いわゆる「デミニミス・ルール」を廃止しました。これにより、中国から郵便で送られる800ドル以下の荷物にも、荷物の価値に対して120%、もしくは1個あたり100ドルが課税されることになりました。
ただし、10日から11日にかけてスイスで行われた米中閣僚級協議の合意文書には、デミニミス・ルールに関する記載はありませんでした。
アメリカでは近年、非課税扱いの貨物輸入が急増しており、90%以上がデミニミス・ルールを活用したものです。そのうち60%以上は、中国発のネット通販業者であるTemu(テム)やShein(シーイン)などによるものとされています。
中国の越境ECコンサルティング会社「ブランズ・ファクトリー」の胡健龍(Jianlong Hu)最高経営責任者は、「54%でもまだ高すぎる。おそらく販売業者は様子見姿勢を取っている。ただ、中国からアメリカへの小口貨物輸送の“黄金時代”はすでに終わったと言っていいだろう」と述べました。(ロイター)