今年1月から2月末にかけて、ベトナム繊維製品の輸出は積極的な兆をみせています。多くの企業が通年の輸出契約を締結したことなどは繊維製品輸出が増加する展望を示しています。
エコノミストらによりますと、繊維製品の輸出は前年と比べより明るくなっています。ほとんどの企業は第2四半期までの輸出契約を締結しました。特に、多くの大手企業は年末までの契約に調印しました。また、日本や、アメリカなど向けの輸出は増加の傾向に戻っています。
商工省の統計によりますと、今年1月におけるベトナムの繊維製品輸出額は105億ドルに達し、前年同期比で28・4%増加しているということです。
こうした中、各企業は輸出用品の生産を促進しています。フォンフーや、ベトティエン、ドゥクザン、ダナンビナテック、ハノイ繊維などVINATEX=ベトナム紡績縫製グループ所属の各企業は輸出促進のためにに全力を挙げて取り組んでいます。
しかし、各企業は「輸出の好転の兆が出ているものの、世界市場の状況が引き続き複雑に推移している」と慎重姿勢を示し、「伝統的な市場の維持や、新市場の開発、生産コストの削減、製品の質的向上など持続的成長の維持のための措置をとる必要がある」との方針を打出しました。
繊維製品総公社第10号のグエン・ティ・タィン・フエン(Nguyen Thi Thanh Huyen)社長は次のような見方を示しています。
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「現在の状況の中で、存在と発展のための唯一の方法は生産コストの削減、新製品開発を促進することです。また、企業管理の強化や労働者の能力向上なども行わなければなりません。その目的は品質の高い製品を手ごろな価格でお客さんに提供することです」
フエン社長はこのように語りました。
ドゥクザン繊維製品総公社も同様の措置をとっています。同社の主な輸出先はアメリカとEU=欧州連合諸国です。そのうち、アメリカ市場は同社の製品の55%を、EU市場は30%を占めています。昨年、これらの市場向けの輸出は低下しましたが、今年に入り増加し始めました。
同社は「今年における輸出額が6000万ドルに達する」目標を設定しています。同社のホアン・ベ・ズン(Hoang Ve Dung)会長兼社長は次のように明らかにしています。
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「伝統的な市場の維持を重視しなければなりません。重要なことは『設計・生産・提供』という工程の構築と維持・確保です。これは伝統的市場向けの輸出の強化策の1つです。伝統的な市場を維持できてから、新市場開発を始めます。現在、我が社はロシア、ベラルーシ、カザフスタンなど有望な市場の進出を始めました」
ズン氏はこのように語りました。
実際、CIS=独立国家共同体諸国や、中東、アフリカなど新開発市場は有望と評価されています。統計によりますと、近年、これらの市場向けの年平均輸出額は約5000万ドルに増加しました。しかし、各企業は伝統的市場の維持と新市場開発を両立させる方針です。
VINATEXグループのレ・ティン・チュオン(Le Tien Truong)副会長は次のような見解を述べています。
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「我々は両輪で行かなければなりません。従来の市場を維持しながらも、新しい市場への進出を促進する必要があります。これまでの市場におけるマーケットシェアを増やすと同時に新市場における知名度を高めることは正しい方法です。これは繊維製品部門全体の持続的な発展の為の効果的な方法です」
チュオン副会長このように語りました。
この3年、ベトナム繊維製品部門は韓国や、台湾、ロシアなど新市場開拓に成功していますが、日本やアメリカ、EUなど従来の市場の発展を促進する路線を引き続き実施する方針です。今年にはこれらの従来の市場向けの輸出額が10%ないし12%増加すると期待されています。