8月8日はASEAN=東南アジア諸国連合設立49周年記念日です。このおよそ50年間、ASEANは多くのうねりを経て、経済を柱とするASEAN共同体の構築が図られ、ダイナミックな経済発展を遂げる地域づくりを目的としています。ベトナムはASEANへ加盟して以来21年にわたり、ASEANの発展に力を尽くしてきました。
現在のASEAN加盟国は10ヶ国ですが、バンコク宣言によって設立された1967年当時にはタイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア、シンガポールの5カ国しか加盟していませんでした。2015年末に、ASEANが統合された際、2025年までのビジョンが発表され、その中で経済連携の強化や、ASEANの中核的な役割の発揮が訴えられました。
共同体発展ビジョンの展開へ
設立以来、ASEANは一連の計画を実施してきました。平和維持と安全保障分野で200~300の行動計画が行なわれた一方、経済分野に関し、各国との経済連携を拡大するとともに、ASEAN経済共同体枠内の複数の合意書を実施しました。また、この7ヶ月の代表的な成果としてRCEP=東アジア地域包括的経済連携協定の交渉の促進やASEAN内、及びASEANと域外諸国との連携イニシアチブの実現、加盟諸国間の金融、投資、労働分野での協力の深化などが挙げられました。
ベトナムのレ・ホアイ・チュン外務次官は次のように語っています。
(テープ)
「先頃、ラオスで開催された第49回ASEAN外相会議で、域外4カ国はASEAN友好協力条約に加盟し、2カ国は具体的な分野でASEANとのパートナー関係を結んでいます。国際世論はASEAN共同体の誕生に関心を寄せました。」
ASEAN内の団結を確保
ASEANは発展に際し、地域の平和かつ安定した環境から様々なメリットを得てきましたが、現在、世界情勢の複雑な推移により多くの試練に直面し、また、ベトナム東部海域(南シナ海)問題も浮上しています。こうした事情の中、ASEANは加盟諸国、ひいては国際社会の共通の利益のために、地域の平和、安定、安全保障、協力の維持を訴えました。さきほどのベトナムのレ・ホアイ・チュン外務次官は次のように語っています。
(テープ)
「ASEANはベトナム東部海域は東南アジア地域の平和、安定、協力に重要な役割を果たし、切り離せない存在であることで一致しました。また、加盟諸国は国際法、中でも1982年国連海洋法条約を基礎に平和的措置で紛争を解決し、武力による威嚇、または武力の行使をしないという基本的な原則を強調しました。一方で、ASEANと中国はDOC=海上行動宣言を完全履行し、COC=海上行動規範を早期作成することで合意しました。」
ASEANと共に歩んだベトナムの21年
ベトナムはASEAN へ加盟してから、この21年間、ASEANへの広範な参入が図られ、ASEANの2025年までのビジョンをはじめ、共通の活動に積極的に参加してきました。チュン次官は次のように明らかにしました。
(テープ)
「ベトナムは2016年のASEAN議長国を務めているラオスと緊密に協力し、ASEAN内の団結の維持や中核的な役割の発揮に尽くしてきました。また、ベトナムはラオスで行われたASEAN地域フォーラムで海上安全保障の協力に関するイニシアチブを提案しました。ベトナム東部海域の情勢が複雑に推移している背景の中でこのイニシアチブは高く評価されています。」
今後も、ASEANは団結精神と決意を固めて、大きな進展を遂げるでしょう。ベトナムはASEANの責任感のある加盟国として、ASEANの発展に同行してゆきます。