(VOVWORLD) - 8月13日、ハノイで、少数民族と山間地域の発展を支援する国家プログラムの成果発表会が開かれました。この会議はオンラインで全国に中継され、各地の省や市の担当者も参加しました。
ベトナムには53の少数民族が暮らしており、その人口は1,440万人を超えています。これは全人口の約15%にあたり、32の省と市に広がって住んでいます。
全国の粗末な家や雨漏りのする家をなくす取り組みは、党と政府が力を入れている、人道的な意義の深い事業です。 |
予想を上回る大きな成果
さて、2022年末から始まったこの支援プログラムですが、わずか3年足らずで驚くべき結果を生み出しています。
まず注目していただきたいのが貧困の改善です。少数民族地域の貧困削減率は平均3.4%を達成し、当初の予想を0.2ポイントも上回りました。さらに驚くべきことに、住民の一人当たり収入が2020年と比べて3倍以上に増加したということです。
教育面でも大きな進歩が見られました。適切な職業訓練を受けた人の割合が54.8%に達し、目標の50%を大きく上回っています。また、8,600キロメートル以上の道路が新しく建設され、数百の学校が改修されるなど、インフラ整備も着実に進んでいます。
特に住環境の改善は目覚ましく、42,000戸を超える古い住宅や仮設住宅が新しく建て替えられました。これは当初の目標の2.3倍という驚異的な数字です。
この取り組みについて、ベトナム祖国戦線中央委員会のドー・ヴァン・チエン委員長は次の様に述べています。
(テープ)
「この取り組みは、単なる国の事業という枠を超え、少数民族や山間地域の人々に対する、党と政府からの温かい愛情と、きめ細やかな配慮の表れです。計画を作る段階から、各省庁、地元の行政府はもちろん、国会や政府からも力強い応援をいただきました。」
また、国連開発計画ベトナム事務所のラムラ・ハリディ代表も「少数民族に特化したプログラムとしては初の取り組みで、『誰も取り残さない』というベトナム政府の強い意志が結果に現れている」と高く評価しています。
次の5年間への大きな期待
そして今度は2026年から2030年までの第2期に入ります。ベトナム政府はさらに予算を増やし、総額15から16兆ドン、日本円にして約8,888億円を投入する予定です。これは現在の予算より10から15%の大幅増額となります。
ファム・ミン・チン首相はこの取り組みの重要性について力強く語っています。
(テープ)
「少数民族・山間地域への投資は、そのまま国全体の発展への投資なのです。第2期では必ず目標を達成し、誰一人取り残すことなく、全ての住民の生活を向上させていきます」
次期プログラムでは、道路や電気などの基本的なインフラ整備はもちろん、地元の特産品のブランド化や、最新技術を使った農業指導、そして企業との連携強化などに力を入れていく予定です。
この取り組みは、ベトナムが2030年までに「近代工業を備えた中高所得の発展途上国」になるという国家目標の実現にも大きく貢献することが期待されています。
この少数民族・山間地域の発展を支援する取り組みを続けることで、地域間の差は小さくなり、少数民族の暮らしはもっと豊かになるでしょう。そして、国全体の未来につながる、持続可能な発展という目標に向かって、ベトナムは一歩ずつ、確実に進んでいきます。