ベトナム 発展途上国の声を発信 BRICS拡大会議に初参加
(VOVWORLD) - ブラジルのルーラ・ダシルバ大統領の招きに応え、7月4日、ファム・ミン・チン首相はベトナム代表団を率いて、ブラジルのリオデジャネイロで開かれる2025年BRICS拡大首脳会議と、二国間活動に臨みました。
今回の訪問は、国際協力におけるベトナムの積極的な役割を示すものであるとともに、発展途上国の声を国際社会に届け、新たな市場開拓の機会を切り拓く意義深い外交活動となります。これはまた、党中央政治局の決議59号で定められた「新しい状況での国際統合」に沿った重要な実践でもあります。
ラテンアメリカとの協力強化へ
ベトナムがBRICS拡大首脳会議にパートナー国として参加するのは初めてです。BRICSは、発展途上国を中心とする重要な経済・政治連合であり、今回の参加は、経済・貿易・投資・安全保障といった地球規模の課題に対し、意見や経験を共有し、共に解決策を模索することが狙いです。
今年の会議のテーマは「より包括的で持続可能なガバナンスのためのグローバルサウス協力の強化」です。グエン・ミン・ハン外務次官は次のように述べました。
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「このテーマは、現在の発展途上国の利益に非常に適したものです。チン首相は各国首脳やパートナー国、招待国と共に、国際的な連帯と南南協力の推進、透明性・包摂性・持続可能性の高いガバナンス体制の構築を目指す解決策について議論します」
今回のBRICS拡大会議への参加は、ベトナムにとって、BRICS加盟国だけでなく、他の国々、特に潜在力の大きい南米市場との協力を広げる機会にもなります。7月1日にハノイのアルゼンチン大使館の開設式で、アグスティン・テヘダ・ロドリゲス副国務官は、ベトナムとの協力強化への期待を示しました。
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「アルゼンチンとベトナムの経済・貿易関係は力強く成長していますが、まだ潜在力を十分に発揮できていません。両国間の貿易や投資における障壁を取り除き、協力を深めたいと考えています」
二国間関係でも重要な意味
二国間では、ベトナムとブラジルの協力関係は戦略的パートナーの枠組みで順調に発展しています。今回の出張は、2024年11月に両国が関係を戦略的パートナーシップに格上げして以来、首相として初めてのブラジル訪問となります。さらに、この訪問は、ベトナム政府の首脳が3年連続でブラジル、つまり中南米最大、米州でも上位3位に入る経済大国を訪れることを意味します。
また、この訪問は両国関係の具体化、特に貿易・農業・投資・科学技術・イノベーションなどの分野での成果の活用に貢献すると期待されています。ハン外務次官はさらに、次のように強調しました。
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「今回の訪問は、双方の製品に対する市場開放に関して、多くの具体的な成果を後押しするものとなります。これは、ベトナムが市場・製品・サプライチェーンの多様化を積極的に進めている中で、非常に重要な成果です。ブラジルは、ベトナムの輸出品にとって大きな市場です。今回、推進される成果は、世界貿易が複雑に変動する中で、市場多様化の加速に貢献するものです」
チン首相の今回の訪問は、ベトナムとブラジルの関係を促進するとともに、ベトナムと中南米およびカリブ海地域という、大きな潜在力を秘めた市場との関係強化に寄与すると期待されています。さらに、多国間フォーラムにおけるベトナムの役割と地位を一層高め、「友人であり、信頼できるパートナーである」という国際社会へのメッセージを改めて示すものとなっています。