25日、グェン・タン・ズン首相の主催の下で、ベトナム経済に対する世界経済の影響を評定するための政府と関連各機関の会議が行なわれました。これまで、ベトナムは経済社会発展目標の達成を目指し、消極的影響を最小限に抑える為の方策をとってきました。
それらの消極的影響は、中国の人民元の切り下げや、その後の世界原油価格の下落、世界の主要証券市場不安定、多くの国の為替相場政策の調整などによるものだということです。中国を含む新興国の経済成長 が連続低下したことはベトナムを含め世界各国の経済に悪影響を与えています。
適宜対応
年初から、世界金融市場で、大手国際組織の予測以外に、多くの問題が出ています。例えば、原油価格の記録的な下落、アメリカの利上げ、欧州の経済危機、ギリシャ債務危機などです。こうした中、ベトナムの国家銀行は、銀行間の米ドルに対するドンの変動幅を2倍に主体的に拡大させました。これは、ドル高と人民元切り下げによる輸出へのマイナスの影響を回避するためだということです。
ベトナム国家銀行のグェン・ティ・ホン副総裁は次のように明らかにしています。
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「去る8月11日に、中国人民銀行は、人民元の中心レートを1.9%引き下げました。これを受けて、アジア各国の通貨がほぼ全面安となっています。中国とアジア地域諸国はベトナムの大きな貿易相手国である一方、ベトナムの中国からの輸入超過額が多い事から、国家銀行は、レート変動幅を上方調整することにしました。」
世界状況が変動している背景の中で、世論はベトナムの方策を高く評価しています。ホーチミン市金融マーケティング大学のチャン・ホアン・ガン学長は次のように語っています。
(テープ) ngan
「ベトナムにおける為替レート調整政策は二つの要素に左右されています。それは海外からの要素です。この数ヶ月に続いている世界経済の変動、米ドル高、及び人民元安などは、ベトナムの為替レートの調整に圧力を加えました。次は、国内の要素です。輸出の増加スピードは遅れ、輸入超過は増えました。そこで、為替レートを調整しなければなりません。国家銀行が為替レートを調整したことは合理的かつ適宜なことだと思います。」
困難への対応
世界経済状況が複雑に推移している中、ベトナムは消極的影響を最小限にし、あらゆる有利な条件を活用する必要があるとされています。ダイナミックな為替レート調整政策は年末までの経済シナリオに盛り込まれています。
ベトナム国家銀行のグェン・ティ・ホン副総裁は次のように明らかにしています。
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「市場の安定化を目指し、国家銀行は、必要な方策や手段を十分に整っています。銀行間の平均為替レートを1%に上方修正し、公定レートの許容変動幅を±3.0%に拡大したことにより、ベトナム通貨ドンは年末までのみならず、2016年始めの数ヶ月間にも国内市場と海外市場からのマイナス影響に柔軟に対応できるようになります。また、外貨市場の安定とベトナム製品の競争力の確保にも寄与します。」
ベトナムは世界経済からマイナス影響に対応できるため、様々な対策をとっています。それと同時に、ベトナムはマクロ経済の安定化を確保することができます。