(VOVWORLD) - ベトナムは先進的かつ民族色豊かな文化の育成に取り組んでいます。人類の精華を吸収しながら、人間・経済開発と同時に文化開発に力を入れています。これらの活動は1943年の「ベトナム文化綱領」に提唱されているものです。
1943年2月に開催されたボンラ(Vong La)会議の決議は、「党は文化を専門とする幹部を派遣し、先進的な『救国文化』を開発し、腐敗した『ファシスト文化』を排斥する必要がある」と明記しました。
また、会議では、「問題点」や、「ベトナム文化の歴史と性質」、「日本ファシズムとフランス植民地主義者の支配下でのベトナム文化の危険性」、「ベトナムの文化革命」、「マルクス主義者の差し迫った任務」という5つの内容からなる「ベトナム文化綱領」が採択されました。
「ベトナム文化綱領」80周年記念活動を紹介する記者会見=VGP/Diệp Anh |
道を照らす綱領
1943年の「ベトナム文化綱領」において、ベトナム共産党はベトナム文化の発展の歴史を三つの段階に分け、それぞれの段階の特徴・本質・範囲・役割などを分析しました。また、文化に対する科学的世界観や、革命的人生観、弁証法的・唯物論的方法論を示すと同時に、政治・経済と並んで文化を国の防衛・開発事業の3本柱の1つと見なしました。
さらに、「民族化・大衆化・科学化」という文化開発のための原則、および「差し迫った任務」、「当面の目的」、「必須の業務」、「働き方」においても定められました。
ベトナム社会科学アカデミーのフォン・レ教授は次のように分析しています。
(テープ)
「党の1943年文化綱領は、『政治・経済・文化』に対し同列で関心を寄せる必要があると指摘しました。これらは共産主義者が会得すべきものです。また、綱領には、文化・思想・学術・芸術・知識人に関する理論もあります。実際、ホーチミン主席の臨時政府は当時のベトナムの最も優秀な知識人を結集することができていました」
研究者らによりますと、1943年の「ベトナム文化綱領」はベトナム民族の文化発展とその価値の維持・価値の最大化の指針とみられています。1946年11月24日にハノイで開催された第1回全国文化会議で、ホーチミン主席は、「文化は国民の道を照らす」とし、国の建設防衛事業に対する文化の重要な役割を再確認しました。
国民の道を照らす
ベトナム共産党は1943年の「ベトナム文化綱領」の価値の継承・価値の最大化により、国の発展段階に相応しい複数の文化開発戦略を立ててきました。その中には、1998年7月16日に開催された第8期党中央委員会第5回総会の決議03号や、2014年6月9日に開催された第11期党中央委員会第9回総会の決議33号などに定められた戦略があります。
1943年の「ベトナム文化綱領」と比べ、これらの戦略は範囲が拡大され、思想や、道徳、ライフスタイル、文化環境、教育・訓練、科学技術、文学・芸術、情報通信、国際文化交流、文化体制など多くの分野を網羅し、文化を社会の精神的土台、および社会経済開発事業の目標や原動力と見なしています。
2021年11月24日に開催された第2回全国文化会議で、グエン・フー・チョン党書記長は、「文化の役割を重視する」という党の終始一貫した政策を再確認しました。これに関し、中央理論評議会のブ・バン・ヒェン教授・博士は次のように述べています。
(テープ)
「チョン書記長によりますと、党は確実に、文化に関する認識・知識を深めています。新しい発展段階において、文化をさらに発展させるためには、条件を整え、創意工夫を凝らし、思い切った改革の必要があるとしています。これは国の開発事業にも役立つと確信しています」
国際社会への参入が広範かつ深化する中で、1943年の「ベトナム文化綱領」の精神に従って、ベトナムは先進的で民族色豊かな文化育成や、文化・芸術分野に携わる人材の育成、文化への投資などを強化していく方針を打ち出しています。
そして、ベトナムの文化は、「民族独立と社会主義」、「マルクス・レーニン主義とホーチミン思想」という原則によるものであり、「豊かな国民・強靭な国、公平で民主的な文明社会」という目標を目指しています。