ベトナムは世界経済への参入を進めており、市場開放に関する一連の公約実施に取り組んでいます。こうした背景の中で、参入により得られるチャンスを活用するためにはベトナム経済、中でも企業の競争力の向上は必至の課題となっています。
国内外の専門家によりますと、今年、ベトナム経済は好転を見せ、ベトナムは魅力的な投資先となるであろうとしています。世界経済への参入が進められている中、国内企業、とりわけ中小企業は競争力の向上に向けた準備が行なわれています。一方で、政府は国内企業に対する援助措置を打ち出し、持続的な発展を遂げることを狙いとしています。
企業の競争力の向上
企業はそれぞれの国の経済発展に中核的な役割を果たすとみられます。また、企業は国の強弱、貧富を決定し、有望な未来へ導くとされています。一方で企業が順調に活動するかどうかは政府の運営能力にかかっています。これまで、政府は経済再構築の加速や経営環境の改善、行政改革の促進、中小企業の発展援助を目指す様々な措置や解決策を公布してきました。ベトナム商工会議所のブ・ティエン・ロック会頭は次のように語りました。
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「政府は一連の重要な決定を出し、その中で、国会に企業法と投資法の改正案を提出したことはベトナムの競争力の向上を目指す政府の正しい方針を示しました。それは企業の株式化、多くの経営分野から国家資本の引き上げ、公共機関の行政手続きの改革を促進することです。」
特筆すべきは企業法と投資法の改正案には経営申請手続きに関する規定が調整され、国内外の投資家間の格差が縮小したことです。また、企業には生産経営内容や方式を自由に選ぶ権利があるという規定も具体化されました。経済専門家のレ・ダン・ゾアン博士は次のような見解を述べました。
(テープ)
「第1に企業法改正案では経営部門の登録規定が撤廃されました。第2として企業は自社の印鑑を作ることができます。かつて、14日かかる印鑑登録手続きも撤廃されました。これは重要な改正だと思います。」
行政改革の傍ら、企業は融資や管理能力の向上に関しても支援を受けています。計画投資省・企業開発局のブイ・トゥ・トゥイ副局長は次のように語りました。
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「私たちは各省庁、機関と協力して、銀行を通じて、企業に対する融資を提供しています。また、計画投資省は世界銀行と中小企業の能力向上支援プロジェクトを交渉中です。さらに、国内企業の競争力の向上を目指し、様々な政策を実施しています。」
今年、ベトナムと複数の国との自由貿易協定が発効しますが、これは企業にとってチャンスでありかつ、試練ともなっています。これらのチャンスを活用するため、各企業は様々な準備を進めています。ベトナム紡績縫製グループのレ・ティエン・チュオン副社長は次のように語りました。
(テープ)
「これまで、世界経済への参入の要求に応え、紡績縫製部門は正しい方向に沿う準備を行なってきました。製品の付加価値の向上や、設計、原材料などの準備を主体的に進めています。こうした準備は政府がアメリカとの自由貿易協定やWTO=世界貿易機関への加盟の交渉を控えてからTPP=環太平洋経済連携協定が交渉中の現在まで続けられています。」
実際、経済危機が終息してからも、一部の企業はリスクの管理や市場の多様化、運営システムの強化などに力を入れてきたことにより、着実な発展を遂げています。これは良い教訓と経験であると評されています。政府が進めている体制改革や企業の努力により、ベトナム経済は好調な発展を見せていくことでしょう。